真昼の訪問者? ヨコヅナサシガメ
今から数十年前、ヨコヅナサシガメは、
少なくとも、東京にはいなかった侵入害虫である。
九州でもかなりの珍品で、サイズ的にもあこがれの虫であった。
おっと間違えた!!
サシガメ類は、害虫を捕食するので、
少なくとも、侵入害虫とは言わないのか・・・
でも侵入益虫と言うのも、何となくおかしいかので、
普通に外来種で良いのか?
ヨコヅナサシガメ成虫(サシガメ科)
2013年6月1日 東海村・茨城
その名前のとおり、大型の強そうなサシガメ。
腹部の側面が大きく外側に張り出して、
その部分がは、黒と白の不気味な縞模様になっている。
この格好で、予想外に機敏に動き、他の小昆虫を捕獲し、
口吻を突き刺して、体液を吸うのだ。
近年、急速に分布が増加したようで、
東京付近はもちろん、茨城県でもみられるようになった。
比較的大きな肉食性の種なので、在来種(ライバルや餌種)に、
どの程度の影響を与えるか、注目される(注)。
ヨコヅナサシガメ幼虫集団
2013年8月4日 ひたちなか市・茨城
こんな不気味な恰好をした幼虫も、茨城県内の雑木林や公園で、
サクラやケヤキなどの樹皮の割れ目や、
大木の幹のくぼみを探すと、比較的簡単に見つかる。
ヨコヅナサシガメ幼虫集団
2013年8月4日 ひたちなか市・茨城
肉食性の昆虫にしては珍しく、
幼虫時代は、集団で生活するようだ。
よく見ると、この集団の中には、
真っ赤なテネラル個体が混じっている。
あまり密集しない集団内で、さりげなく脱皮するようだ。
別の公園で、偶然にも、脱皮中の個体の写真が撮れた。
こんな感じで、結構目立つ場所なのに、
真昼間から、堂々と脱皮している。
これは、かなり無防備な状態での脱皮であり、
しかも付近には、沢山のアリがウロウロしている・・・・
襲われる可能性は、十分あると思うのだが、
予想以上に素早く脱皮は、完了するようだ。
このような状態になれば、おそらく、
アリに襲われることもないのだろう。
(注)そういえば、東海村にあるこの公園では、
他種のサシガメを見ることはなかった。
外来種であるヨコヅナサシガメは、
多少とも、ライバル(?)の在来種に、
影響を与えているのだろうか?