保護色の虫たちを探す疑似体験② 中級編
写真の中の虫を探す疑似体験。
今回は、体色が茶・褐色系の虫たち・・・
彼らは、葉っぱの上に静止していると、
捕食者に簡単に見つかってしまう。
しかし、正しく背景を選んでいれば、
(緑色の葉っぱの上にいなければ)
おそらく、野鳥類も、もちろん我々も、
なかなか発見することは出来ないだろう。
ただ、個人的な好みの問題になるのだが、
地面や、枯れ葉・枯れ枝にいる虫たちを、
私自身が、注意深く探すことはないので、
今回のような写真は、なかなか撮れない。
⇒自分で撮った写真が少ないことが、
そのような虫たちに出会う機会が少ないと、
勝手に思いこんでいるだけで、
実際には、単に見逃しているだけなのかも・・・
まず、以下の4枚の写真を見ていただき、
どこかに写っている虫たちの姿を見つけてから、
その下の説明文をお読みください。
⇒最初は、虫の名前は伏せてありますので、
何処にどんな虫がいるのかをお楽しみください。
尚、表題の「?」の数は、難易度に比例します。
すぐに、分かりましたか?
・・・・・以下、回答です・・・・
⑤ ナナフシモドキ(ナナフシ科)
中央部分に、予想外(?)に大きく写っている。
この子は、6本の脚が細くて長いのに、
さらに、身体も同じように細くて長いので、
完全に背景の枯れ枝に溶け込んで見えるのだ。
ナナフシの仲間は、身体の姿かたちまで、
枯れ枝に似せているので、隠蔽的擬態の範疇に入る【注】。
⇒写真の個体の選択した背景は、まさに絶妙で、
ここ以外にはないという場所に静止していると思う。
本当に、分かってやってるのだろうか?
実は、ナナフシモドキには緑色の個体もいるが、
バッタ類のように、 体色を変化させることが出来るかどうかは、
多分確認されてはいないはずだ・・・?
枯れ枝に擬態しているはずなのに、
緑色とは、ちょっとだけ不思議であるが、
少なくとも私が見たのは、葉っぱの上である。
⇒やっぱり、背景を選んでいるのか?
以下のページをご覧ください。
【かなり不思議なナナフシモドキ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141228/1/
⑥ ショウリョウバッタ(バッタ科)
写真の左上あたりに、枯れ葉の色の大型のバッタがいる。
これは、私から飛んで逃げたバッタの着陸地点付近を、
必死に探して発見したもので、普通に歩いていたのでは、
絶対に見つからなかったと思う。
⇒飛翔中のバッタが、この着陸地点を、
意識的に(?)選択したのかどうかは不明だが・・・
実は、ちょっとだけ不思議なことに、ショウリョウバッタにも、
ナナフシモドキと同様に、緑色の個体もいる。
バッタの場合は、 沢山の人が、
背景を選択できるかどうかを実験しているが、
結論は出ていないようである。
⇒こんなことを書くと、
誰も実験したくなくなるかもしれないが・・・
例えば、茶色と緑色のバッタが、
それぞれ自分の体色に応じて、
生きている草か、枯れた草を選ぶかを、
実験的に確かめようとする場合、
彼らが、どんな刺激をその根拠にするのかを、
確認することから始めなけれなならない。
つまり、色を見るという視覚刺激以外の条件、
例えば、緑葉の匂い、周辺の温度や湿度、
足ざわり感触、草が立っているか寝ているかなどや、
試験するバッタの空腹度なんかも、
考慮しなければならないのだ。
⑦ シロスジオオエダシャク(シャクガ科)
右上あたりに、小枝を包むように静止している蛾がいる。
この子も、少し動いて静止位置を変えたので、
私にも、居場所が分かったのだが、普通では、
完全にスルーしている被写体だ。
⇒それにしても、絶妙な静止姿勢だと思う?
この写真では分かりにくいが、翅の白く見える部分は、
分断色として機能しているはずだ。
⑧ ヤマトマダラバッタ(バッタ科)
やや左上のあたりに、砂粒に紛れたバッタがいる。
そう言われても、見つからない人もいるかもしれないが・・・
⇒大丈夫です!!!
こんな写真で、見つけられる人は、多分いません。
そして、この子を、歩きながら発見して、
写真を撮れるような人は、普通の人ではありません。
次回は、立ち止まってじっくり見ても、
もしかしたら、探し出せない虫たちです。
【注】保護色の虫たちが、背景選択を間違えた場合には、
虫たち特有の左右対称の輪郭が、くっきりと浮かび上がって、
捕食者に簡単に発見されてしまうだろう。
逆に、隠蔽的擬態の虫たちが、背景選択を間違っても、
ほとんどの捕食者は、チラッと見るだけで、
「これは食べ物ではない」と、無視して通り過ぎるだろう。
このことの詳細は、以下のページをご覧ください。
【隠蔽的擬態の虫は、本当にいるのか???】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150210/1/
【追記】
前回の写真も含めた①~⑧の中で、
どうしても虫を見つけられなかった方は、
下の拍手マークをクリックしていただき、
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記入していただければ、目印の付いた写真をお送りします。