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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

保護色の虫たちを探す疑似体験② 中級編


写真の中の虫を探す疑似体験。


今回は、体色が茶・褐色系の虫たち・・・


彼らは、葉っぱの上に静止していると、
捕食者に簡単に見つかってしまう。

しかし、正しく背景を選んでいれば、
(緑色の葉っぱの上にいなければ)
おそらく、野鳥類も、もちろん我々も、
なかなか発見することは出来ないだろう。


ただ、個人的な好みの問題になるのだが、
地面や、枯れ葉・枯れ枝にいる虫たちを、
私自身が、注意深く探すことはないので、
今回のような写真は、なかなか撮れない。


 ⇒自分で撮った写真が少ないことが、
  そのような虫たちに出会う機会が少ないと、
  勝手に思いこんでいるだけで、
  実際には、単に見逃しているだけなのかも・・・

 

 

 


まず、以下の4枚の写真を見ていただき、
どこかに写っている虫たちの姿を見つけてから、
その下の説明文をお読みください。


 ⇒最初は、虫の名前は伏せてありますので、
  何処にどんな虫がいるのかをお楽しみください。

  尚、表題の「?」の数は、難易度に比例します。

 

 


⑤ 枯れ枝??

1999年6月19日 与那国島・沖縄

 

 

 

⑥ 枯れ葉??

2011年10月18日 東海村・茨城

 

 

 

⑦ 枯れ葉???

2011年6月29日 白岩森林公園・青森

 

 

 

⑧ 砂粒????

2013年7月15日 中泊町・青森

 

 


すぐに、分かりましたか?

 

・・・・・以下、回答です・・・・

 

 

 

⑤ ナナフシモドキ(ナナフシ科)

中央部分に、予想外(?)に大きく写っている。

この子は、6本の脚が細くて長いのに、
さらに、身体も同じように細くて長いので、
完全に背景の枯れ枝に溶け込んで見えるのだ。

ナナフシの仲間は、身体の姿かたちまで、
枯れ枝に似せているので、隠蔽的擬態の範疇に入る【注】


 ⇒写真の個体の選択した背景は、まさに絶妙で、
  ここ以外にはないという場所に静止していると思う。


本当に、分かってやってるのだろうか?


実は、ナナフシモドキには緑色の個体もいるが、
バッタ類のように、 体色を変化させることが出来るかどうかは、
多分確認されてはいないはずだ・・・?


枯れ枝に擬態しているはずなのに、
緑色とは、ちょっとだけ不思議であるが、
少なくとも私が見たのは、葉っぱの上である。


 ⇒やっぱり、背景を選んでいるのか?

  以下のページをご覧ください。

  
  【かなり不思議なナナフシモドキ】
   ↓   ↓   ↓
   http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141228/1/

 

 

 

 

⑥ ショウリョウバッタ(バッタ科)

写真の左上あたりに、枯れ葉の色の大型のバッタがいる。

これは、私から飛んで逃げたバッタの着陸地点付近を、
必死に探して発見したもので、普通に歩いていたのでは、
絶対に見つからなかったと思う。


 ⇒飛翔中のバッタが、この着陸地点を、
  意識的に(?)選択したのかどうかは不明だが・・・

 

実は、ちょっとだけ不思議なことに、ショウリョウバッタにも、
ナナフシモドキと同様に、緑色の個体もいる。

バッタの場合は、 沢山の人が、
背景を選択できるかどうかを実験しているが、
結論は出ていないようである。


 ⇒こんなことを書くと、
  誰も実験したくなくなるかもしれないが・・・

  例えば、茶色と緑色のバッタが、
  それぞれ自分の体色に応じて、
  生きている草か、枯れた草を選ぶかを、
  実験的に確かめようとする場合、
  彼らが、どんな刺激をその根拠にするのかを、
  確認することから始めなけれなならない。

  つまり、色を見るという視覚刺激以外の条件、
  例えば、緑葉の匂い、周辺の温度や湿度、
  足ざわり感触、草が立っているか寝ているかなどや、
  試験するバッタの空腹度なんかも、
  考慮しなければならないのだ。

 

 

 

 

⑦ シロスジオオエダシャク(シャクガ科)

右上あたりに、小枝を包むように静止している蛾がいる。

この子も、少し動いて静止位置を変えたので、
私にも、居場所が分かったのだが、普通では、
完全にスルーしている被写体だ。


 ⇒それにしても、絶妙な静止姿勢だと思う?

  この写真では分かりにくいが、翅の白く見える部分は、
  分断色として機能しているはずだ。

 

 

 


⑧ ヤマトマダラバッタ(バッタ科)

やや左上のあたりに、砂粒に紛れたバッタがいる。

そう言われても、見つからない人もいるかもしれないが・・・


 ⇒大丈夫です!!!

  こんな写真で、見つけられる人は、多分いません。

  そして、この子を、歩きながら発見して、
  写真を撮れるような人は、普通の人ではありません。

 

 


次回は、立ち止まってじっくり見ても、
もしかしたら、探し出せない虫たちです。

 

 

 

【注】保護色の虫たちが、背景選択を間違えた場合には、
   虫たち特有の左右対称の輪郭が、くっきりと浮かび上がって、
   捕食者に簡単に発見されてしまうだろう。

   逆に、隠蔽的擬態の虫たちが、背景選択を間違っても、
   ほとんどの捕食者は、チラッと見るだけで、
   「これは食べ物ではない」と、無視して通り過ぎるだろう。


   このことの詳細は、以下のページをご覧ください。


   【隠蔽的擬態の虫は、本当にいるのか???】
    ↓   ↓   ↓
    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150210/1/

 

 


【追記】

前回の写真も含めた①~⑧の中で、
どうしても虫を見つけられなかった方は、
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記入していただければ、目印の付いた写真をお送りします。

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