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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

背中のハートが!? エサキモンキツノカメムシ

今月は、さりげなく「カメムシ写真強化月間」です。
頑張って、不定期にブログ更新します。

 

今日は、人名のついたエサキモンキツノカメムシ。
Sastragala esakii Hasegawa,1959

背中に、大きな黄色のハートがあるツノカメ。
雌成虫は、卵や幼虫を保護する習性があるらしいが、
もちろん私は、まだ見たことがない。


   

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年8月4日 五色沼・福島

背中のハートマークは、遠くからでもよく目立つ。

これは、珍しく右側の触角が写っていない希少写真。
もちろん、下の写真と同一個体なので、
まるで手品師のように、自分の触角を隠しているのだ。

 

 

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年8月4日 五色沼・福島

ちなみに、背中の黄色の紋がハート型になっていない、
ただのモンキツノカメムシという種類がいる(注)

残念ながら、こっちは珍品のようで、
手持ちの写真がなく掲載できないのが、ご愛嬌である(?!)

 

 


エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2012年8月4日 五色沼・福島

実は、ハートでないモンキツノカメムシの方が、
最初に記載されていた種である。

今から50年以上前であるが、長谷川仁先生が、
黄色の三角形が、ハート型になっている近似種を発見し、
エサキモンキツノカメムシという和名がついたのだ。

 

 


エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

エサキという名前は、結構色々な虫についており、
もちろん、戦前に活躍された江崎悌三博士に由来する。

以前このブログで紹介したイシハラハサミツノカメムシと、
良く似た発見の経緯と和名だと思うので、この機会にもう一度!!

新種イシハラハサミツノカメムシ
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121113/1/

 

 


エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2013年9月17日 ひたちなか市・茨城

この写真を撮ったひたちなか市内の公園は、
市街地にある本当に小さな公園なのに、
予想外に虫の種類の虫が多いので、ちょっとお気に入り・・・

 


(注)実は、黄色の紋が「ハート紋」か「まる紋」かだけでは、
   厳密に両種を識別することはできない。
   まる紋なのに、エサキモンキツノカメの場合があるのだ。
   (多分逆のパターンはない)

   基本的には、前胸背側角(ツノ)の形状で見分けるようで、
   モンキツノの方が、エサキモンキより長く張り出している。
   先端部の形状は、逆に、短いエサキモンキの方が尖っており、
   長く突出するモンキの方が、丸みを帯びている。

   私は、前胸背の色が褐色の場合は、エサキモンキツノカメ、
   緑色の場合は、モンキツノカメとしているが、
   これは、どうも正式な同定法ではないらしい。

   さらにマニアックな同定法がある。
   触角第1節と2節の長さが等しいか、
   わずかに1節の方が長いのが、エサキモンキツノカメムシで、
   第2節の方が明らかに長いのが、モンキツノカメムシである。


 
    

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