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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

アワフキ類 交尾中なのか??


前回、不思議な「シリアゲの交尾姿勢」を紹介した。


今回は、我々の予想の斜め上を行く、
アワフキ類の不思議な交尾・・・・!!


最初は、これで「本当に交尾してるの?」という感じだった。

 

 

 

コガシラアワフキ(コガシラアワフキ科)

2011年8月2日 だんぶり池・青森

真っ黒なアワフキがいた。

並んで写っている珍しい写真であるが、
実は、アワフキの仲間は、このような状態で、
さりげなく交尾しているのだ。

 

 

 

コガシラアワフキ(コガシラアワフキ科)

2011年8月2日 だんぶり池・青森

良く見ると、真っ黒ではなく、
翅の先端はやや赤みを帯びている。

サイズ的には、右側が雌のようだ。

 

 

 


シロオビアワフキ(アワフキムシ科)

2015年8月8日 だんぶり池・青森

この写真も、単に異常接近した2個体・・・?


実は、この子たちも、交尾しているのだ。

 ⇒上記のコガシラアワフキとは異なる交尾姿勢だ。

 

 

 


シロオビアワフキ(アワフキムシ科)

2015年8月8日 だんぶり池・青森

おそらく硬く伸びた前翅が邪魔をして、
通常の交尾姿勢にはなれないのかもしれない。

この状況では、どんなに接近して撮っても、
実際に交尾が行われているかは、確認できない。

 

 

 


多分マエキアワフキ(アワフキムシ科)

2015年8月25日 だんぶり池・青森

この子たちも、交尾している。

今回初めて、腹部末端で繋がっているのが確認できた。

それにしても、何なんだ、この「さりげなさ」は!!!

 

本当に交尾しているのかを確かめるために、
近づいて、そ~と葉っぱを捩じる傾けて、
裏側を見た瞬間に、落下してしまった。

アワフキ類が落下するのは滅多にないと思うのだが、
2匹が繋がっているので、飛んで逃げることが出来なかったのだろう。

もしかしたら、別々に飛んで逃げようとして、
バランスを崩して、落下したのかも・・・

 

という訳で、撮れた写真はこの1枚だけ・・・
  

 

     

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ヤマトシリアゲ 交尾中だったのか


交尾中のシリアゲに初めて遭遇した。

おそらく、珍しい光景なのだろう。


 ⇒これまで、もしかしたら私だけが、
  出会う事がなかっただけかもしれない。

  多分、撮影時刻が夕方の5時頃なので、
  私の普段の活動時間外だっただけ??


 

いずれにしても、ちょっとビックリ!!

 


ヤマトシリアゲ交尾中(シリアゲムシ科)

2015年8月6日 上州武尊・群馬

かなり不自然な恰好の2匹のシリアゲ。

最初は、何が起こっているのか、分からなかった。


 ⇒この姿勢が、普通の交尾中の姿なのだろう。

 

 

 

 

ヤマトシリアゲ交尾中(シリアゲムシ科)

2015年8月6日 上州武尊・群馬

近づくと、明らかにお尻の部分は、
繋がっているのが分かる。

おそらく、シリアゲ雌雄の交尾器の構造からみて、
この姿勢をにならざるを得なかったのだろう。


 ⇒オレンジ色のふたつの点は、寄生ダニだ。

 

 

 


ヤマトシリアゲ交尾中(シリアゲムシ科)

2015年8月6日 上州武尊・群馬

さらに近寄ると、多分雌の方が何かを食べている。

体液を吸い終わっているのか、犠牲者は、
見るからに干からびたイモムシだ。


 ⇒どうやら、これが噂の「婚姻贈呈」のようだ。

 

 

 


ヤマトシリアゲ交尾中(シリアゲムシ科)

2015年8月6日 上州武尊・群馬

人の気配を感じたのか、そのまま移動し始める。

左側に、大切な(?)婚姻贈呈品を残したまま・・・


 ⇒邪魔してゴメン!!??

 


普通に考えると、捕食性の雌に交尾しようとして近づく雄が、
自分が餌と間違えられないように、プレゼントを持ってきたのだろう。

でも、シリアゲの雌って、そんなに凶暴(攻撃的?)ではないはずだ。

 

軽くネット検索してみると、以下のことが判明した。

ヤマトシリアゲは、婚姻贈呈を行う場合と、行わないで交尾する場合があり、
プライヤシリアゲとスカシシリアゲモドキは、唾液を用いた婚姻贈呈を行い、
キシタトゲシリアゲは、3つの全ての交尾戦術をとるとされている。

と言うことで、今回のヤマトシリアゲの婚姻贈呈の交尾が見られたのは、
まあラッキーだったようだ。

 

 

 

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ちょとだけ不思議なクモの交尾(?)


いつものように、カメラ片手に林道をブラブラ歩いていると、
ちょっとだけ不思議な光景に出会った。


かなり不自然な恰好で、多分2匹のクモが重なっているのだ。

 

 

コフクログモ(フクログモ科)

2015年6月3日 座頭石・青森


捕食?

交尾??

喧嘩???


写真で見ると、頭胸部は、明るい赤褐色で、
腹部は淡黄褐色だが、白色の微毛が密生する。

クモの種類は、コフクログモで間違いないだろう。

 

 


・・・近づいても、逃げる気配が全くない!!

 

 


コフクログモ(フクログモ科)

2015年6月3日 座頭石・青森

小さい雄(多分)の方が、身体の大きい雌の上に、
正面から乗りかかって、動きを停止させているようだ。

 ⇒クモは、この格好で交尾(?)する?!

 

 


・・・そのまま、ぎこちなく(?)移動した!!

 

 


コフクログモ(フクログモ科)

2015年6月3日 座頭石・青森

徘徊性の雌グモの多くは、カマキリなどと同じように、
交尾するために近づいてくる雄を、
餌と思って(?)、捕獲しようとするのだ。

だから、雄は、餌と間違われないように、
交尾すべき雌に、接近しなければならない。


しかも、最終的に正面から向き合った形で、
雄が雌に覆い被さり、精子の付着した触肢を、
雌の生殖口に挿入しなければならないのだ。


だから、クモの場合は、交尾ではなく「交接」と言う。

 

 

 


コフクログモ(フクログモ科)

2015年6月3日 座頭石・青森

それにしても、この体勢は、雌が仰向けなら、
柔道の上四方固めではないのか?


これなら、雄グモは、交接中に間違って、
雌に食われてしまうことはないだろう。

 ⇒雄グモも、自分の遺伝子を残すために、
  命をかけて(?)いるのだ・・・多分

 


写真をよく見ると、雄の脚が不自然に曲がって、
触肢を挿入しているのかもしれない・・・?





 

   

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千載一遇!? マルクビツチハンミョウの交尾

 
 タイトルにあるように、非常に珍しい写真が撮れた。

・・・とは言っても、撮影者は「私の娘(次女)」だ。


だから、このブログ始まって以来の、
「自分で撮ったものでない写真」を、
さりげなく2枚も使用することになる。


この写真が、どれほど貴重なものなのかは、
今のところ、全く分からないのだが・・・

 

 


マルクビツチハンミョウ(ツチハンミョウ科)
 
2015年3月31日 御前山・茨城

越冬明け直後のような雰囲気の雌雄だが、
2匹は、間違いなく交尾している。

急に暖かくなって、雄と雌がほぼ同時に、
やわらかい土(?)のようなところから這い出してきて、
すぐに交尾相手を見つけたのだろう。


こんな早春に交尾するんだ!?

 

撮影場所の御前山自然公園は、
茨城を訪れると、必ず立ち寄りお気に入りの場所で、
実は、撮影日の10日前に私も行ってみたのだが、
まだまだ、虫の写真が撮れるような雰囲気ではなかったのだ。

 

 

 

 


マルクビツチハンミョウ(ツチハンミョウ科)
 
2015年3月31日 御前山・茨城

最初に写メールで送られてきた写真では、
多分ヒメツチハンミョウだと、娘には返信したのだが・・・

後日パソコンに送ってもらった元サイズの写真を見ると、
右側に写っている雄の触角に、特徴的な膨らみが見られないので、
おそらくこの子は、マルクビツチハンミョウだろう。

 


特異な姿かたちのツチハンミョウの仲間は、
昔から、カンタリジンを体内に持つ有毒昆虫として知られている。

当然のこととして、捕食者に食われることはなく、
良く目立つ警戒色(金属光沢)の虫ではある。


この条件だと、ベイツ型擬態のモデルになる可能性がある。

 

 

 


ついでなので、ヒメツチハンミョウの写真を再掲。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110504/1/

 

ヒメツチハンミョウ雄(ツチハンミョウ科)
 
2010年9月27日 一の瀬園地 長野

雄なのに、まるで妊娠しているように膨らんだお腹、
全く飛ぶことが出来ないと思われる小さな翅、
ありえないところがハート型に膨らんだ触角、
全ての体の部分が同じ金属光沢のある青色、


これだけ見ても、この子は、
「かなり不思議な雰囲気」を持っている虫である。

 

しかも、ツチハンミョウの仲間は、
以下のような「ミラクルな生活史」なのだ。


1)まず、ツチハンミョウの雌は、4000以上の卵を産む。
  この数は、通常の昆虫の産卵数ではない。

2)そして、春先に孵化した1齢幼虫は、アザミなどの花によじ登る。
  自分で花の蜜を吸うためではない。
  ハナバチが蜜を吸いに来るのを待つのである。

3)運良くハナバチが来ると、強靭な大あごと肢の爪で、
  ハナバチの毛にしがみつき、その巣にたどり着く。

4)運悪くハナバチの雄にしがみついてしまった場合、
  交尾したときに、雌の体に飛び移るという。

5)巣の中に入った1齢幼虫は、そこで、ハナバチの卵を食べる。

6)そして、脱皮した2齢幼虫はなんと、イモムシ状になり、
   今度は、蜜の上に浮いて蜜を食べる。

7)その後、3齢幼虫になると、また体型が変化し、
  ほとんど動かないサナギにそっくりの擬蛹になる。

8)さらに、擬蛹の中で、またイモムシ状の4齢幼虫になり(逆戻りの変態)、 
  まもなく通常の蛹となって、ついで写真のような成虫となる。

9)成虫は林床や草地を徘徊し、苔などを食べているといわれる。

 

 

どうして、雌成虫は、子供(幼虫)の為を思って、
直接ハナバチの巣に産卵しないのだろうか?

その方が、自分の子孫も残しやすいだろうに・・・

 

理由は、ただ一つしかない!!

 

お腹に卵を沢山持った雌成虫は、飛ぶことができないのだ。

もちろん、雄も飛べないのだが・・・


 ⇒飛べないから、沢山の卵を産むようになったのか?
  沢山の卵を産むために、飛べなくなったのか??

 

 

蛇足:

昔、徳島に住むようになった直後の頃、もう30年以上前の話であるが、
お隣の高知県に、非常に珍しい「生き物」が2種いることを聞いた。

トサヒラズゲンセイというツチハンミョウ科の昆虫と、
あとは、ヤイロチョウというチョウではなく鳥なのだが、
いずれも、徳島にいるときには、出会うことがなかった。


結局生きてる姿をみることのなかったヒラズゲンセイ(改名?)は、
今回のマルクビツチハンミョウと同じツチハンミョウ科に属し、
クマバチの巣内で幼虫、擬蛹、蛹が発見されるので、
ほぼ同じ生活史なのだろう。


ただし、体色は真っ赤で、でっぷりとした体型でもなく、全く違う印象である。

 


・・・と言うことは!!

 

飛ぶことができるヒラズゲンセイの場合には、どうやら、
雌成虫が、直接クマバチの巣の中に卵を産み付けるようだ。

当然、産卵数は、前2種ほど多くないはず!!

 

さすが、「ちょっとだけ不思議な昆虫の世界」である。

 

 

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ちょっとだけ不思議な交尾?!


気分転換に、最近撮った写真の中から、
全くの個人的な思い込み(偏見?)から選んだ、
ちょっとだけ不思議な交尾写真、最新の4枚を紹介する。

 


ジョウカイボン(ジョウカイボン科)

2014年6月3日 白布峠・山形

雌雄の3段重ねのように見えるが・・・

いちばん下は、食べられている!!


真ん中に見える雌にとって、交尾か食事か、
どっちが先かは不明だが、おそらく、
いちばん上にいる雄が、後から来たのだろう?

すんなり雌と交尾できない雄にとってみれば、
もしかしたら、食事中の雌とは、
比較的簡単に交尾出来るのかもしれない。


しかも、この雄、ダニが付いているし・・・・

 

 

 

ジョウカイの仲間(ジョウカイボン科)

2014年6月21日 白岩森林公園・青森

この子たちの詳細な種名は不明だが、
こんな感じで交尾することも、たまにはあるのだろうか?

それとも、何らかの事故が起きたのだろうか?


⇒多分、後者だろう?


このままの状態で、しばらくの間、
葉っぱの上を、ウロウロと歩き回っていた。

 

 

 

ハラビロヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2014年6月24日 だんぶり池・青森

一瞬、幼虫が交尾してると思った。

ただそれだけ・・・・

 

 

 

ムシヒキアブの仲間(ムシヒキアブ科)

2014年7月26日 美山湖・秋田

この子たちも、かなり不思議な交尾だ。

ただ、ムシヒキアブの仲間は、危険を察知すると、
交尾中に飛行することが良くあるようだ。

ただ、飛んで逃げることも、大きなリスクがある・・・


この後、自分より大きな雌をぶら下げて、
ゆっくり、見えないところへ飛んで行った。

 


・・・・失礼しました。

   

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