ヒメツノカメムシ、母は強かった
カメムシ類は、一般的に大きな卵を少数産むタイプが多い。
さらに、キンカメやツノカメの仲間では、
産卵した卵や幼虫を、母親が付き添って保護する種もいる。
実際に、母親がアリや寄生蜂から自分の卵や幼虫を、
たくみに防御する行動も詳細に観察されている。
今年6月、自宅近くの「だんぶり池」の林道のクワの木に、
卵を保護するヒメツノカメムシが沢山見られた。
2010年6月16日【ヒメツノカメムシ】弘前・だんぶり池林道
ときどき、卵塊を離れることはあるが、
ほとんどの時間は、卵塊の上に静止しているようであった。
2010年6月16日【ヒメツノカメムシ卵】
卵が孵化しても、母親はそこにとどまっていた。
2010年6月22日【ヒメツノカメムシ】弘前・だんぶり池林道
おそらく孵化幼虫は2齢になるまで摂食しない。
母親は、少なくともそれまでは、近くに留まっていると思われる。
2010年6月22日【ヒメツノカメムシ孵化幼虫】
ここまでが長い前ぶりで、本題はここからである。
別の日、少し離れた「梵珠山」のクワの木で、
2匹で卵を保護するヒメツノカメムシを見つけた。
なんだ! ヒメツノカメは夫婦で卵塊を保護するのか?
これは、新知見と思ったが・・・・
寄り添っているのは父親である確証はない。
もっとよく見ると、ヒメツノカメの母親は子供の上に覆いかぶさり、
体を相手の方に傾けて、見知らぬ男に近づかせないようにしているではないか。
2010年6月22日【ヒメツノカメムシ】青森・梵珠山
何となく、母親の気持ちもわかるし、
父親(?)の気持ちもわかる!
余談だが、最近はおじいちゃんの気持ちもわかる?!