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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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このシリーズでは、特異な姿かたちの幼虫について、
たまたま、成虫の写真が撮れていたものを、
親子として、両方同時に紹介している。
普通に考えて「こんなにも奇妙な幼虫たちの親(成虫)は、
一体どんな虫なんだろうか?」というのが、その発端である。
今回は、ちょっとだけ不思議なクロコウスバカゲロウの親子である。
まずは、幼虫から・・・・
クロコウスバカゲロウ幼虫(ウスバカゲロウ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
この子は、海岸の砂丘や砂地などの限られた環境にしか生息していない。
巣穴(アリジゴク)は、まばらに草の生えた砂地に、
予想外に密集して存在している。
巣穴を見つけたら、やみくもに砂から幼虫を掘り出すのではなく、
強く息を吹きかけると、表面の砂が飛んで、
中の幼虫が、さりげなく出現する。
それが、この写真である。
クロコウスバカゲロウ幼虫(ウスバカゲロウ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
ちょっと分かりにくいが、でっぷりとした体に、
全く不釣合いな大あごが見事である。
地上を歩くアリなどの小動物に、砂を浴びせかけ、
すり鉢の中心部に、滑り落として捕獲する。
捕らえた獲物に、すぐさま消化液を注入して、
内部の体組織をドロドロにしてから、その液を吸い取ってしまうのだ。
クロコウスバカゲロウ繭(ウスバカゲロウ科)
2013年7月15日 ベンセ沼・青森
幼虫は、蛹になるとき、土中に丸い繭をつくる。
あまり知られていないが、ウスバカゲロウの仲間は、
卵→幼虫→蛹→成虫という完全変態をする昆虫なのである。
また、アリジゴク(幼虫)は、肛門を閉ざして糞をせず、
蛹になるときも、糞をしないようだ。
今回は、上の写真の繭を家に持ち帰って、
実際に、どんな成虫が出てくるか、観察してみた。
クロコウスバカゲロウ成虫(ウスバカゲロウ科)
2013年7月24日 弘前市・青森
虫かごの中に砂をいれ、割りばしを立てて、
羽化したときに、翅を伸ばせるようにして、
それを、部屋の中のパソコンの横に置いた。
可能な限り観察を続けたが、残念ながら、
羽化する瞬間を見ることができなかった。
持ち帰って、9日目の朝見ると、成虫が羽化していた。
クロコウスバカゲロウ成虫(ウスバカゲロウ科)
2013年7月24日 弘前市・青森
成虫になるときに、幼虫時代に一度も排泄しなかった糞をする。
この宿便(!?)を探したが、どうしても見つからなかった。
写真を良く見ると、お腹の後ろが膨らんでいる。
もしかしたら、何らかのトラブルがあって、
羽化時に、排泄できなかったかもしれない。
この成虫は、そのためか、翌日の夕方には死んでしまった。