保護色の虫たちを探す疑似体験① 初級編
・・・まだまだ、春は遠い・・・
カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
すぐに目につくのが、間違いなく、
空中を飛んでいるチョウやトンボである。
個人的には、その次に見つけやすいのが、
緑の葉っぱの上にいる、緑色以外の虫たちだ。
逆に言うと、葉っぱの上にいる緑色の虫たちは、
ゆっくり探しながら歩かないと、見落としてしまう。
⇒ちょっとだけ自慢になるかもしれないが、
歩きながら、以下の虫たちを見つけられれば、
俗に言う「虫屋」の仲間入りができるかも?
・・・という訳で、
今回から、来たるべき虫の季節(!)に備えて、
色々な虫たちを探す疑似体験シリーズです。
以下の4枚の写真を見ていただき、
写っている虫たちを探し出してください。
⇒今回は、初心者向けなので、
このブログをいつもご覧いただいている方は、
ひと目でお分かりだと思いますが・・・
① アオスジアオリンガ(コブガ科)
2015年6月11日 酸ヶ湯温泉・青森
この子は、ダケカンバにいるカメムシを探していて、
「あれ! 何だ? これは!!」
という感じで、偶然見つけた。
⇒昼間に、葉っぱの上で見かけたのは、
多分この子が最初だったと思う。
緑色の雰囲気が、ダケカンバの葉っぱの色と全く同じで、
しかも、前脚の色合いも、葉脈と良く似ている。
このような写真になれば、直ぐに分かるが、
遠目に見ていると、この程度でも、
なかなか発見するのは難しい。
② アオマツムシ(コオロギ科)
2012年9月24日 東海村・茨城
この子は、至近距離にいたのだが、
今度は、「えっ!! そこにいたの?」
という感じで、一度は見逃してしまった。
色だけでなく、姿かたちも、
ツツジの葉っぱに、そっくりなので、
こんな風に静止していたら、なかなか見つけにい。
⇒この子は、保護色と言うより、
隠蔽的擬態の範疇かもしれない【注】。
③ キリギリスの仲間の幼虫
2011年6月26日 白井亜森林公園・青森
この写真のような状況は、林道などで、
実際に歩きながら虫を探すときに、
良くあるパターンである。
左上の方に、葉っぱが重なって、光がさえぎられ、
色が濃くなっている部分に、さりげなく静止している。
⇒こんな虫たちを、歩きながら、
普通に見つけられるようになると、
虫を探す楽しみが倍増する。
④ ニホントビナナフシ(ナナフシ科)
2010年9月24日 東海村・茨城
すぐに目につく真ん中のナナフシに気をとられると、
その右側にいる同じサイズのもう一匹を見落としてしまう。
瞬間的に、2匹を同時に見つけた方は、
かなりの虫マニアだと思う。
これは、私のお気に入りのツーショット写真だ。
⇒トビナナフシの仲間は、日本に3種いるが、
成虫ならば、それぞれ分かりやすい特徴があり、
写真でも、比較的簡単に識別可能だ。
【ちょっとだけ不思議な虫 トビナナフシ】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140316/1/
・・・どうですか?
イメージトレーニング出来ましたか??
次回は、葉っぱ以外の場所にいる虫たちを探してください。
【注】今回の表題は「保護色を見破る・・・」となっているが、
体色だけでなく、姿かたちまで似せた場合には、
隠蔽的擬態の範疇に入る。
しかし、一部の隠蔽的擬態の虫たち、例えば、
ムラサキシャチホコやマエグロツヅリガなどは、
正しく背景を選ばない場合が多く、そこで目立ってしまっても、
捕食者が餌と認識しなければ、攻撃を受けることはなくなる。
(通常、獲物を狙う捕食者は、枯れ葉には興味を示さない!!)
この擬態を、とりあえず「非食物擬態(仮称)」と呼ぶことにした。
⇒是非、以下のページをご覧ください。
これが、ちょっとだけ不思議な昆虫の世界です。
【隠蔽的擬態の虫は、本当にいるのか???】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150210/1/