忍者ブログ
  • 2017.09
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2017.11
そこまでやるか? セスジスカシバの擬態!!


スズメバチにベイツ型擬態したスカシバの仲間は、
このブログでは、常連とも言える存在だ。

特にセスジスカシバは、間違いなくミラクル擬態なのだが、
その状況を詳細に確認したとき、驚くべき秘密が隠されていたのだ。

 

普通に考えれば、遠目の外観が似ているだけで、
捕食者を騙すことが出来るので、ベイツ型擬態は成立するはずだ。

しかし、より詳細に見たセスジスカシバの擬態は、
我々の想像を越えた完成品に近いものだったのだ。
   
   

 

多くのベイツ型擬態の虫たちは、 横から見たときが、
最もモデルのハチに似ていると思う。


 ⇒このブログの写真でも、
  捕食者の目線と同じく(多分?)、
  斜め上から見たものが多かった。

 

 


・・・前から見ると、どうなんだ??

 

 


セスジスカシバ静止中(スカシバガ科)

2013年9月4日 白岩森林公園・青森

上の写真は、正面から見たセスジスカシバの成虫である。


詳細に見ると、触角の基部が実際の頭部であり、
当然、チョウ目特有の小サイズなのだが、
その上にある前胸部分が、スズメバチの顔のように見える。


 ⇒前翅の付け根部分が黒い球状なので、
  その下にある黄色い三角形の部分と同時に見ることになり、
  スズメバチの複眼と大あごのように見えるのだ。

 

 

 

・・・実際のハチの頭部と比較してみよう。

 

 

 

キイロスズメバチ静止中(スズメバチ科)

2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森

あまり、スズメバチの顔を正面から見ることはないが、
セスジスカシバの胸と、ハチの顔がそっくりである。


 ⇒もちろん、詳細に細部を比較してしまうと、
  違いは明らかにあるのだが、瞬間的に見た雰囲気は、
  かなり似ていると言える。

 

 

 

しかし、話は、ここでは終わらない!!!!


飛翔中のセスジスカシバは、さらに秀逸で、
この事実を知ったとき、ちょっとだけ感動した。

 

 

 

セスジスカシバ飛翔中(スカシバガ科)

2013年9月4日 白岩森林公園・青森

飛翔中は、もっともっとハチのように見える。


・・・何故だろうか?


最初の写真で見たように、蛾の頭部は小さいが、
黄色の前脚を、頭部の真下に折りたたむと、
その前脚がスズメバチの大あごのように見えるのだ。

静止時には、スズメバチの顔のように見えた前胸は、
今度は、普通にハチの背中の模様になっている。

触角の基部に見える黒い部分が、
セスジスカシバの実際の頭部である。

 

 

 

・・・飛翔中のハチの頭部と比較してみよう。

 

 


キイロスズメバチ飛翔中(スズメバチ科)

2013年9月4日 白岩森林公園・青森

これは、恐怖の一瞬!!

カメラに向かって飛んでくるキイロスズメバチ!!!


ハチの黒く見える複眼と、黄色の大あごの部分を、
セスジスカシバが見事に真似しているのが、お分かりだろう。

 

 

と言うことは、セスジスカシバの成虫は、

 静止時には前胸部が、
 飛翔時には、前脚部分が、

スズメバチの顔のように見えるのだ!!!

 

 


最後にもう一度!!!

 

 


ハチと蛾 飛翔中

左: キイロスズメバチ(スズメバチ科) だんぶり池・青森(20120608)
右: セスジスカシバ(スカシバガ科) 白岩森林公園・青森(20130904)

この写真だけで、ハチと蛾の識別できますか?

前脚の位置と形状に、ご注目ください。


 ⇒ちなみに、セスジスカシバが飛翔中にも、
  まるでハチが飛び回っているような翅音が聞こえるのだ。

  飛翔中の方が、より精密にハチにベイツ型擬態することで、
  捕食を免れていると考えると、起立して拍手を送りたくなる。

 

 

 


・・・【蛇 足】・・・

 

セスジスカシバの幼虫は、長い幼虫期間を、
キイチゴなどの茎の中に潜入して過ごすので、
葉っぱを食べる他のチョウ目の幼虫のように、
野鳥類の餌になってしまう危険性は、ほとんどない。

一方で、セスジスカシバの成虫に出会うのは、
夏の終わり頃の約1ヶ月間に限られる。

個体レベルで考えれば、羽化後の交尾・産卵までの期間は、
長くても、数週間程度だろう。


この短い成虫時代を乗り切る(捕食回避!)ために、
一体何故、上記のようなミラクル擬態が、
出来上がった(進化してきた)のだろうか?

メインの捕食者である野鳥類は、
この時期、基本的に子育てが終わっているはずで、
そんなに淘汰圧が高いとは思えないからだ。


 ⇒本当に、突然変異と自然淘汰だけで、
  ミラクル擬態の進化を説明できるのだろうか?

  それとも、何か別の進化要因が存在するのだろうか?

 

 

蛇足の蛇足であるが、伝説(?)の「ある話」を思い出した。


 ⇒茶目っ気のある喜劇俳優チャップリンは、
  「チャップリンのそっくさんコンテスト」に正体を隠して出場し、
  見事2位になって、人知れず喜んでいたという・・・???

 

    

拍手[25回]

PR
【2016/01/11 06:56 】 | 擬態 | 有り難いご意見(0)
<<保護色の虫たちを探す疑似体験① 初級編 | ホーム | 虹色の虫は、本当にいるのか? 7色の秘密??>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>