ハチに擬態する蛾(だんぶり池)
だんぶり池にも、昼間飛ぶ蛾はたくさんいる。
多くの蛾は、通常は夜に活動するのに、
何故、ほんの一部の蛾が昼間飛ぶのだろうか?
以下の5種は、その理由が、
何とかわかるような気がするが・・・
セスジスカシバ(スカシバガ科)
2010年9月2日 だんぶり池・青森
かなり注意して見ないと、大型のアシナガバチと間違える。
ベーツ型擬態の好例である。
だんぶり池では、この個体のみに出会ったが、
当然、モデルとなったアシナガバチ類は、
この数百倍は生息しているはずである。
このモデルと擬態者の個体数比率が、
ベーツ型擬態が機能(?)するための条件である。
コスカシバ(スカシバガ科)
2010年7月27日 だんぶり池・青森
注意して見ないと、ハナバチの仲間と間違える。
これも、ベーツ型擬態の好例である。
当然のことながら、だんぶり池では、
モデルとなったハナバチ類の個体数は、
コスカシバよりかなり多いと推定される。
カノコガ(カノコガ科)
2010年7月21日 だんぶり池・青森
少し注意して見ないと、ハナバチの仲間と間違える。
これも、ベーツ型擬態の好例である。
だんぶり池では、比較的個体数は多いようである。
しかし、モデルとなったハナバチ類の個体数は、
それより多いと推定される。
トンボエダシャク(シャクガ科)
2010年8月1日 だんぶり池・青森
注意して見れば、蛾だと分かる。
これを、ベーツ型擬態とするかは微妙である。
胴体がややハチに似ているが、
翅が透明でない分、ちょっと不利である。
クロマイコモドキ(マルハキバガ科)
2010年7月20日 だんぶり池・青森
ちょっとだけ注意して見れば、蛾だと分かる。
これを、ベーツ型擬態とするかは微妙である。
どう見ても、金色に輝く小さな美しい蛾である。
何故、こんな名前がついたのかと調べてみると、
色彩変異がかなり大きいらしい。
もしかすると、標本になると金色が黒っぽくなるのか?
いずれにしても、普通に歩いてみただけで、
こんなに擬態の例が見つかる。
さすが、「ちょっとだけ不思議な昆虫の世界」である。