虫たちの親子-33 トホシハムシ
ハムシ類の分類は、結構厳しい。
幼虫であれば、もうお手上げの状態だ。
⇒ただ、食草の種類や食痕の形状などの分かると、
ある程度絞り込むことが出来る。
今回は、無謀な挑戦の結果である。
トホシハムシ幼虫(ハムシ科)
2015年6月11日 酸ヶ湯温泉・青森
あまり見慣れない体型の真っ黒な幼虫を、
東北大植物園のダケカンバの葉っぱで見つけた。
ハムシの幼虫であることは間違いないが、
種を同定するのは、かなり厄介だ。
⇒真っ黒なズングリムックリ(死語?)の身体で、
体表に突起はなく、横線(シワ?)が沢山あって、
葉脈を残して、葉肉のみを食べている。
・・・さりげなく、ネット検索すると、
トホシハムシ幼虫(ハムシ科)
2015年6月11日 酸ヶ湯温泉・青森
ダケカンバを食草とするハムシとして、
ミヤマヒラタハムシが良く知られている。
⇒雰囲気的に似ていると思ったのだが、
ネット情報では、ミヤマヒラタハムシの幼虫は、
体が後方に向かって細くなるという特徴があるようだ。
さらに、穴を開けながら葉を食べるので、
ちょっと違うかも?!
また、ハンノキハムシの幼虫にも似ているが、
こちらは、食痕が網目状になるようだ。
・・・という訳で、消去法で行くと、
体が後方で太くなるトホシハムシの幼虫かも?
⇒ただ、食草はケヤマハンノキとなっているが
ダケカンバと同じカバノキ科の植物なので、
特に大きな問題点ではないと思う。
・・それならば、成虫も保存ファイルから見つかる。
トホシハムシ成虫(ハムシ科)
2014年6月21日 酸ヶ湯温泉・青森
とりあえず、暗赤色から黄色っぽいベースの色に、
名前の由来となった真っ黒なトホシ(十星?)がある。
斑紋の形状や位置にも、かなり個体変異があるようだが、
多分、この子は、トホシハムシで間違いなさそうだ。
やはり食草が、ちょっとだけ気になるのだが・・・【注】
⇒成虫は、飛ぶことができるので、
食草との関係は、あまり気にすることはないと思う。
結構、雑草にもいるし、ブナ林のシダでも見かけた?
以上、超攻撃型(?)のハムシ類の写真同定でした。
【注】昨年6月のこのブログで、2回に分けて、
ハムシの孵化幼虫の大集団(塊!)を紹介した。
【春の珍事?! ⑨コガタルリハムシの孵化幼虫】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140601/1/
今年(2015年)も、同じ場所を探したのだが、
謎の大集団を発見することはできなかった。
これこそが、ちょっとだけ不思議な昆虫の世界なのだろう。