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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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カメラ片手に、林道をブラブラ歩いていると、
何か、得体のしれないものに出会うことがある。
その場では、なんだか全く分からないこともあり、
さりげなく写真だけは撮っておいたりする。
こんな雰囲気のチョウ目の幼虫を、
どこかで見たことがある。
今にも、歩き出しそうな感じだが、
近くに食痕が全く見当たらない・・・
近づいてみると、明らかに葉っぱそのものが、
イモムシのように盛り上がっているだけだ。
ちょっとだけ不気味だが、これは「虫えい」だろう。
盛り上がりの前後が黄色に変色し、
中央部は、赤褐色の模様(?)になっているので、
よく見られる全体が緑色の「虫えい」とは、
全くイメージが違うと思う。
近くの別の葉っぱを探すと、さりげなく、いた。
このような虫えいは、サクラの葉っぱで、よく見かける。
ただ、この写真は、イモムシに似ていない?!
家に帰って、図鑑で調べてみると、間違いなく(?)、
アブラムシが作り出した「虫えい(gall)」であった。
おそらく「サクラハトサカフシ」と呼ばれるものだろう(注)。
葉っぱの内部に、アブラムシが卵を産み付けることによって、
植物組織が異常な発達を起こして、このように形になるのだ。
このような見た目の変化は、実に興味深いも現象であると思う。
虫と植物の関係の中で、植物を食べる虫の方が、
餌である植物に働きかけて、その組織を変更させ、
自分の住む隠れ家を作らせているのだ。
これから、「虫えい」については、
ときどきこのブログでも取り上げる予定だが、
植物側の反応が、かなり複雑であり、
多種多様な形状に、自分の体を変化させるのが、
さりげなく、素晴らしいと思う。
(注)黒石市のnabita氏の情報により、同定することができた。
この名前は、初めての人には何の事だか分からないかもしれないが、
手持ちの図鑑によると、虫えいの命名法は、
寄主植物名+形成される部分+形態的特徴+フシ
の順で名付けられることが多いようだ。
だから、この名前は、桜(サクラ)の葉っぱ(ハ)に作られた、
トサカ状(トサカ)の虫えい(フシ)ということになる。