ベイツ型擬態を見破る疑似体験③ アブ? ハチ??
私は、葉っぱの上にいるハチやアブを見つけると、
それがどっちなのかを確かめる前に、
カメラを向けてシャッターを押してしまいます。
⇒多分「アブハチ撮らず」ではありません【注】。
と言うことは、それからしばらくして、
忘れた頃(?)に、その生態写真だけを見ると、
ハチのなか、アブなのか、判断に迷うことがあります。
そんな写真は、このシリーズのためにあるようなものです。
今回③の「ベイツ型擬態を見破る疑似体験」は、
ハナバチに似せたハナアブの仲間ですが、
この組み合わせ(?)は、目にする機会が多いはずです。
⇒全くの「偏見」と「思い込み」ですが、
私は『虻蜂取らず』のことわざからは、
ハナアブとハナバチを連想します【注】。
・・・それでは、
あなたは、以下の写真の中で、
どの子を手で掴みますか?
・・・・・・・・・・・
・・・回答です。
まずは、モデルとなったハチは、右上と左下です。
右上: オオマルハナバチ(ミツバチ科)
2012年5月20日 白岩森林公園・青森
前回までのスズメバチ類と大きく違って、
ハナバチ類は、丸っこく毛むくじゃらな感じです。
胸部から腹部にかけて、白・黒・黄色の縞模様で、
個人的には、そんなに怖そうなイメージはありません。
左下: クマバチ(クマバチ科)
2013年9月25日 ひたちなか市・茨城
丸いハチの中では、かなり大型の種で、しかも、
飛んでいるときの羽音は、ビックリするほどの大きさです。
ただ、いつも花のまわりを飛び回っている印象があり、
人間が近づいても、ほとんど関心を示さないようです。
・・・ということは、左上と右下の2種は、アブです。
左上: オオハナアブ(ハナアブ科)
2013年10月1日 だんぶり池・青森
基本的に黒色のアブなのですが、
腹部にある太い赤黄色の帯が目立つので、
隣の写真のマルハナバチに似ています。
ただ、大きな複眼がある頭部の形状が、
ハナバチの仲間とは違うので、
慣れれば見分けやすいと思います。
⇒幼虫が水中で育つので、
成虫も湿原の花でよく見かけます。
右下: ニトベベッコウハナアブ(ハナアブ科)
2010年9月2日 だんぶり池・青森
オレンジ色と黒色のコントラストが、
なかなか良い味を出している大型のハナアブです。
この雰囲気は、明らかに(?)ハナバチに擬態しています。
⇒以前紹介したように、この子の幼虫は、
キイロスズメバチの巣に寄生するようです。
【ハチの巣に入り込む虫たち】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20151227/1/
【注】前回も、ちょっとだけ触れた「ことわざ」ですが、
語源となったアブとハチの種類は、
何故か、ハナバチとハナアブのような気がします。
これは、全くの個人的な印象なのですが・・・
でも、良く考えてみると、何故(人間が)、
わざわざアブかハチを、迷って捕まえるのでしょうか?
このことわざは、「二兎を追うものは一兎をも得ず」と、
全く同じ解釈をすべきではなく、むしろ、
危険なハチと危険でないアブを見て、
どっちか迷うより、きっぱりと、両方諦めなさい!!
という解釈の方が、より真実に近いような気がします。