ベイツ型擬態?③ トラカミキリ類
日本国内で見られるベイツ型擬態で、いちばん有名なのが、
ハチに擬態するトラカミキリの仲間であろう。
この標識的擬態は、比較的分かりやすい。
キイロスズメバチ(スズメバチ科) ⇒モデル
2010年8月25日 だんぶり池・青森
ハチの模様は、基本的に黒と黄色の縞模様で、
これは、人間世界でも道路や工事現場などで、
「危険」を現す視覚的情報として、
よく使われる典型的な「警戒色」である。
だんぶり池の林道でも、縦横無尽に獲物を探して、
飛び回っているのを良く見かける。
まるで、「外敵なんかいるか!!」という雰囲気であるが、
本当に鳥はスズメバチ類を餌としないのだろうか。
⇒当初は、キボシアシナガバチとしていましたが、Nabita氏より、
キイロスズメバチであるとご連絡いただきましたので、
種名を訂正しました。
ヤエヤマホソバネカミキリ(カミキリムシ科) ⇒擬態者
2003年4月6日 与那国島・沖縄
4月上旬でも、真夏のように暑かった与那国島で、
木陰で昼飯を食っているときに飛んできた。
やっぱり最初は、カミキリとは思わなかった。
幼虫時代の食べ物が、リュウキュウアカメガシワとのことで、
もしかして、有毒成分が体液に含まれている可能性があるが・・・
キンケトラカミキリ(カミキリムシ科) ⇒擬態者
2010年6月5日 白岩森林公園・青森
こちらも、淡い黄色をしたカミキリで、
容姿だけでなく、動きもハチに似ている。
トラカミキリの仲間は、比較的良く見かけるが、
それでもアシナガバチの方が、個体数は多い気がする。
おそらく、ベイツ型擬態が、正常に機能しているのだと思う。