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さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。 従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。
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日本国内で見られるベイツ型擬態の
もうひとつの例を示そう。
実は、モデルとなった種があまり有名でない場合には、
少なくとも、人間に与えるインパクトは、ほとんんどない。
カクムネベニボタル(ベニボタル科) ⇒モデル
2010年5月23日 梵珠山・青森
鮮やかな赤と黒の典型的な警戒色をしており、
不味成分を体内に持っているので、
捕食者が食べても、すぐに吐き出す。
これらの事実から、ベニボタル類は、
多くのベイツ型擬態者のモデルになっている。
セグロベニトゲアシガ(マルハキバガ科) ⇒擬態者
2010年7月5日 室蘭高原・北海道
実に奇妙な格好で静止している。
櫛の歯のような触角と、赤と黒の胴体をもっている。
しかし、この子の擬態はそれだけではない。
何故か、同じようなイメージの後脚(?)を、
まるで触角のような微妙な位置に静止させて、
ギンギラキンにさりげなくベニボタルのように見せている。
この子が、蛾であることは、普通の人は気付かないだろう。
もちろん鳥のような捕食者も・・・・
アカヘリサシガメ(サシガメ科) ⇒???
2010年6月18日 だんぶり池・青森
問題は、この子である。
肉食のサシガメであり、赤と黒の不気味なツートンカラー!
しかし、この色彩パターンが、
ベニボタルに擬態しているのかどうかは、
良く考えると、かなり微妙である。
むしろ、セグロベニトゲアシガの色彩パターンにも似ている。
アカヘリサシガメがいくら獰猛な肉食であっても、
鳥などの捕食者に対しての防御手段は何もないと思われる。
だから、ミューラー型擬態の範疇には、入らないはずである。
もちろん、当初は有毒物質をもっていたが、
今は、ベイツ型擬態になっている可能性もないことはない。
このように、比較的単純なベイツ型擬態の場合でさえ、
モデルと擬態者の関係は微妙であり、
その防御効果についても、かなり慎重に考えざるを得ない。
ミューラー型擬態の、日本での例については、
別の機会に紹介する予定・・・・・・・??