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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

枯れ葉擬態を見破る疑似体験② 


前回に続き、枯れ葉擬態の虫を探す疑似体験です。


とりあえず、獲物を探す捕食者になった気分で、
以下の写真をご覧になってください。


今回も、一瞬の判断です。

それが、食べられる蛾か、食べられない枯れ葉かは、
少なくとも野鳥類は、瞬間的に識別しているはずだからです。


 ⇒間違って、枯れ葉を食べてしまうような捕食者には、
  絶対にならないでください!!!

  ただ、自然界では、この判定ミスのパターンは、
  ほぼ100%ないと思いますが・・・【注】

 

 

 


・・・では、写真2枚です。

 

 

 


写真【2】 枯れ葉? 蛾??


・・・ん! みんな枯れ葉??






 


写真【3】 枯れ葉? 蛾??



どうですか?

見た瞬間に、見破ることができましたか?


 ⇒今回の枯れ葉に擬態する蛾は、
  前回とカギバガ科主体の選択と異なり、
  種類は、全くのランダム選択です。

 

 

 

 


・・・以下、回答です。

 

 

 


写真【2】

上段2番目の蛾を除いて、全て本物の枯れ葉です。

 ⇒念のため、撮影場所と年月日を示します。

上1: 本物の枯れ葉 金山町・秋田(20120806)
上2: ムラサキシャチホコ(シャチホコガ科) 宮古市・岩手(20130814)
上3: 本物の枯れ葉 編笠林道・青森(20120806)
上4: 本物の枯れ葉 梵珠山・青森(20150621)
中1: 本物の枯れ葉 白岩森林公園・青森(20110915)
中2: 本物の枯れ葉 網走・北海道(20110713)
中3: 本物の枯れ葉 安曇野・長野(20130612)
中4: 本物の枯れ葉 梵珠山・青森(20130910)
下1: 本物の枯れ葉 室蘭山・北海道(20170702)
下2: 本物の枯れ葉 だんぶりい池・青森(20170730)
下3: 本物の枯れ葉 白神・青森(20140908)
下4: 本物の枯れ葉 白岩森林公園・青森(20130911)

 

 

 

 


写真【3】

下段4番目の本物の枯れ葉以外は、全て蛾の成虫です。

上1: ツマキシャチホコ(シャチホコガ科) 印西市・千葉(20060814)
上2: マエグロツヅリガ(メイガ科) 白岩森林公園・青森(20120721)
上3: ツマモンエグリハマキ(ハマキガ科) 津軽半島・青森(20130715)
上4: オオヤナギサザナミヒメハマキ(ハマキガ科) 白岩森林公園・青森(20120721)
中1: カバオオフサキバガ(キバガ科) 芝谷地湿原・秋田(20130529)
中2: セモンカギバヒメハマキ(ハマキガ科) 芝谷地湿原・秋田(20130529)
中3: セダカシャチホコ(シャチホコガ科) 志賀坊森林公園・青森(20130727)
中4: 多分キンイロエグリバ(ヤガ科) 矢立峠・秋田(20130909)
下1: オビガ(オビガ科) ひたちなか市・茨城(20140721)
下2: ハガタエグリシャチホコ(シャチホコガ科) 上州武尊・群馬(20150807)
下3: アツバ類交尾中(ヤガ科) 梵珠山・青森(20150621)
下4: 本物の枯れ葉 おぐに林道・山形(20130614)


 ⇒今回は、サーバー容量の完成で、
  個別の蛾の拡大写真はありません。

  

 

 

・・・蛇足?

 

 

 

このような「枯れ葉擬態」を典型的な隠蔽的擬態の例として、
紹介している単行本、雑誌やブログ記事を見かけます。

しかし、個人的な感想として、背景に紛れ込んで、
外敵に見つからないようにする擬態とは思えないのです。

 

写真を見れば、一目瞭然なのですが、
本物の蛾は、全て緑色の葉っぱの上に静止して、
比較的良く目立つ感じがしました。


 ⇒もちろん、普通に、枯れ葉の中に紛れている蛾も沢山いて、
  私ごときには見つからなかっただけかもしれませんが・・・

 

普通に考えると、枯れ葉に似せた虫たちは、
自らが静止する場所として、枯れ葉の多い環境を選ぶはずです。

相すれば、これだけ擬態の完成度が高いので、
視覚的に獲物を探す鳥などの捕食者から、
攻撃されることは、ほとんどないと思います。

 


でも、蛾を餌にする捕食者は、野鳥類だけではありません。

枯れ葉の多い地面には、普通に考えれば、
ネズミ、カナヘビ、カエル、ムカデ、オサムシや、
怖い怖いアリ類など、様々な捕食者がいるはずで、
彼らは、視覚だけで餌を探すとは限りません。

おそらく、地上で餌を探す多くの捕食者は、
野鳥類のように、獲物の体を、ある程度の距離を置いて、
全体的に見ながら(まさに鳥瞰!!)探すことはできません。


 ⇒例えば、匂いで獲物を探したり、
  動くものを素早く捕獲したり、
  たまたま、餌に遭遇したときに、
  獲物を捕獲するタイプが多いはずです。

 

当然、視覚以外で餌を探す捕食者に対しては、
枯れ葉に擬態しても、ほとんど意味がありません。

それならば、枯れ葉の中にいるよりも、
緑色の葉っぱの上で、目立つように静止していた方が、
捕食される危険が少ないのかもしれません。


だから、このブログで何回も書いていますように、
枯れ葉擬態は、隠蔽的擬態の範疇には入らないと思います。


【隠蔽的擬態の虫は、本当にいるのか???】
 ↓   ↓   ↓
 http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150210/1/

 

 

 

【注】学生時代に読んだ擬態に関する本で、
   枝に似たシャクトリムシを偶然食べた小鳥が、
   その後、執拗に枯れ枝を突っついていた、
   と言う観察結果を読んだことがあります。

   いわゆるサーチングイメージだと思います。

 


   

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