苔のような蛾
夜行性の蛾は、昼間は活動せず、どこかに隠れてじっとしているはずだ。
ただ、このようなときにでも、外敵に襲われる可能性があるので、
背景に溶け込むような保護色を進化させている種類も多い。
周囲の環境に似せた色や模様にするということは、
その環境以外にいるときには、このブログで何度も紹介しているように、
本来の蛾の輪郭が、はっきりして、逆に目立ってしまうのだ。
今回は、そんな感じがするちょっと可哀そうな蛾たちを紹介する。
ゴマケンモン(ヤガ科)
2011年7月8日 登別温泉・北海道
この子は、典型的な保護色の例として、例示されることが多い。
まるで苔のような模様と色の蛾である。
この状況は、微妙にOKなのかなと思うが・・・
ハガタアオヨトウ(ヤガ科)
2011年7月19日 登別温泉・北海道
この子も、ちょっと薄暗い森の中で、
苔の生えているような樹木に止まっていれば、
ほぼ完璧な保護色を持つと思われる。
しかし、このように、普通の葉っぱの上では、
折角の色と模様が、あまり役に立っていないようである。
キシタミドリヤガ(ヤガ科)
2012年8月22日 十石峠・長野
この写真の状況では、やはりちょっと苦しいか?
写真ではあまり分からないが、名前のとおり、
緑色を基調にした苔のような蛾だ。
やはり、もう少し場所を選んでほしかった。
アオバハガタヨトウ(ヤガ科)
2011年9月29日 城ヶ倉・青森
この子は、常夜灯に来ていたので、ある程度仕方がない。
でも、もう朝になったので、森の中のコケのあるところに帰りなさい!!!
オオアオバヤガ(ヤガ科)
2012年8月22日 十石峠・長野
しょうがないと言えばそうなのだが、この子は、
灯火採集をしたときに、飛んできたものだ。
白いシーツの上では、鮮やかな(?)苔の模様がよく目立つ。
ん・・・・・・・・・・?
んん・・・・・・・・・・??
んんん・・・・・・・・・・???
私ごときに写真を撮られるなんて、
この子たちは、みんな、例外中の例外なんだろう。
実は、この何十倍、何百倍の普通の子たちは、
見事に背景にマッチした場所にいて、
見事に、外敵から身を守っているはずのだ。
だから、そんな彼らは、決してカメラの被写体にはならない!!!