警戒色の無毒昆虫?
オニヤンマやジョロウグモの模様は、
下の写真のように、基本的に黒と黄色の縞模様で、
遠くからでもよく目立つ。
オニヤンマ(オニヤンマ科)
2011年8月26日 だんぶり池・青森
この色の組み合わせは、典型的な「警戒色」と言われ、
ホバリング中でも、なかなか良く目立つ。
この色の組み合わせは、我々人間も、
道路の危険個所や工事現場などで、
特に注意を促す視覚信号として、使用している。
ジョロウグモ(アシナガグモ科)
2010年10月9日 弘前市・青森
何故、無毒で防御物質も持たない彼らが、
わざわざこんな目立つ模様をしているのだろうか?
オニヤンマもジョロウグモも、
基本的には無毒・無害の虫であり、
捕食者である小鳥たちに対して、
何の対抗手段も持っていないはずである。
ベイツ型擬態の可能性もないとは言えないが、
両者とも、ハチとかなり形状が異なっており、
彼らを、ハチと間違えて、
捕食をためらう小鳥は、おそらくいないだろう。
やはり、普通の捕食者にとってみれば、
大型のオニヤンマとジョロウグモは、
ある程度、危険な存在である可能性はある。
しかし、下の写真のヒメバチは、どうだろうか?
オオホシオナガバチ(ヒメバチ科)
2011年8月23日 酸ケ湯温泉・青森
か細いイメージがあるヒメバチの仲間で、
こんな色の種類がいるなんて!
しかし、これは、どう見ても典型的な警戒色である。
また、こんな中途半端なやつもいる。
ヨツスジハナカミキリ(カミキリムシ科)
2010年7月15日 だんぶり池・青森
このカミキリ場合は、ハチに擬態してるとも思えるが・・・・
しかし、ベイツ型擬態ではないとすると、警戒色というのは、
有毒であるとか、不味いとか、武器を持っているとか、
その背景となるものがあって、初めて意味を持つ。
もし、何でもなく、ただ目立つだけであるならば、
捕食者にとって、それは良いカモでしかないだろう。
ただ、黄色と黒の警戒色そのものの情報に、
全く意味がないとまでは、言い切れない部分もある。
もしかしたら、生物は、黒と黄色の縞模様を、
本能的に嫌うのかもしれない・・・・
というのが、今回の陳腐な結論である。