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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

霧ヶ峰の不思議な虫たち


長野県のほぼ中央部に位置する霧ケ峰高原は、
四国に住んでいたときにも、しばしば訪れた場所である。

特に八島ヶ原湿原は、どこか懐かしい雰囲気が残る、
花と虫が豊富なところで、私の「お気に入りベスト10」に入る。

⇒昔は、七島八島と言っていたような気がするが、
 友人のカーナビに、目的地を入れようとしても、
 認識しないので、正式には「八島ヶ原湿原」と言うようだ。

 


八島ヶ原湿原

2014年8月20日 霧ケ峰・長野

こんな雰囲気の場所に、沢山の虫たちと、
それを食べる捕食者が存在している。

遊歩道の入口に設置されている看板によると、
この時期(6~9月)には、75種類の花が見られるようだ。

おそらく、虫たちはその10倍はいるのだろう。

 


例によって、擬態する虫たちを探した・・・・

かなり見通しのきく場所ということもあって(?)、
隠れるよりも、目立たせるタイプの擬態者が多いようだ。

 

 


サッポロヒゲナガアブ(ハナアブ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

ネット情報では、北海道特産種ではないようなので、
何故、この子の名前が、サッポロと付くのかは不明だが、
特徴的な翅の紋と、正面の顔から同定は間違いないと思う。

クロスズメバチに擬態しているのだが、
ワレモコウの蜜を舐めているようなので、
スズメバチではなく、やっぱりハナアブなんだろう(?)。

 

 

 

多分ヤドリバエの仲間(ヤドリバエ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

数匹見かけただけだが、ヒヨドリバナ(多分?)の花にいた。

ヤドリバエの仲間は、特異な生活史の方が有名で、
ハチに擬態している意味が・・・・


アブは、基本的にハチに似てるということで、
特に大きなインパクトはない???

 

 

 

アサギマダラ(マダラチョウ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

吸蜜しているヒヨドリバナ(多分?)は、
この湿原には、いたるところにある花なのだが、
ちょっとだけ不思議なことに、アサギマダラがいるのは、
ある一角の花に集中している。

一目で10数匹が、乱舞(?)している。

偶然聞いてしまった「ガイドの人たちの会話」の中でも、
この一角を「アサギマダラのところ」と呼んでいるようだ。

長距離移動することで良く知られているチョウなのだが、
このあたりでは、夏の間はずっと見かけるようだ。

もしかしたら、この集団は、さらにこれ以上北方へ移動せずに、
ひと夏をここで過ごしてから、秋になって南へ旅立つのかもしれない。


このブログで、何度も取り上げているように、
マダラチョウの仲間は、体内に幼虫時代の食草である、
ガガイモ科の植物起源のアルカロイド(有毒成分)を持っている。

鮮やかな目立つ色彩により、捕食者にそれを知らせるので、
一度経験した鳥などは、彼らを襲うことはない。

あまり移動しない方が、野鳥類に学習させる上で、
多少なりとも、効率が良くなるのかもしれない。

 

 

 

ヒョウモンエダシャク(シャクガ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

アサギマダラと全く同じように、幼虫時代の食草である、
レンゲツツジやアセビ等の有毒成分を体内に取り込み、
成虫になっても、それを保持しているとされる。

ただ、この写真のように、確かに警戒色っぽい色ではあるが、
そんなに目立つとは思えないので、鳥などの捕食者が、
学習して、2度と襲わないかどうかは微妙である。


というか、エダシャクの仲間は、みんな良く似た模様である、
それぞれの幼虫が、有毒植物を食べているとは限らない。

この辺が、確かに「ちょっとだけ不思議」である。

 

 


ツクバトリカブト(キンポウゲ科)

2014年8月20日 八島ヶ原湿原・長野

誰でも知ってる猛毒の植物だ。

虫も知ってるのか、葉っぱを見ても、食痕がない。


気になって、ネット検索・・・・

キンワバ類の幼虫が食べるらしいが、
成虫はいずれも、複雑な模様ではあり、
いわゆる警戒色をしていない。

幼虫の写真は、ネット検索では見つからなかったが、
ウワバ類なので、そんなに目立つ体色ではないだろう(多分?)。


⇒まさか、捕食者が食べてしまうと、
 すぐに死んでしまうので、学習することができない(?)。

 

      

 

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