ちょっとだけ不思議な昆虫の世界 キカマキリモドキ
ややこしい話題が続いたので、ちょっと気分転換。
しかも9月は、ブログ開設2年目を、さりげなく迎えた節目の月である。
ビートルズのマジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)にちなんで、
私もさりげなくマジカル・ムシトリー・ツアー(MMT)に、暇を見つけては出かける。
(⇒いや、見つけなくても、暇だけは普通にある!!)
MMTで、いつもと違う道を歩くのは、なんだかワクワクする。
そこで、出会ったブログにふさわしい「ちょっとだけ不思議な虫たち」を、
連続で、紹介していきたい。
トップバッターは、キカマキリモドキというちょっとだけ不思議な虫である。
この子は、以前も紹介したのだが、
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111001/1/
今回、新たに3個体の写真が(上手に)撮れたので、
改めて、彼らの不思議さを、カメラを通して見てみよう。
キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
2012年8月22日 十石峠・長野
獲物を狙って待機中の姿は、本家のカマキリそのものである。
しかし、写真では、ちょっと分かりにくいのだが、
前脚の折りたたみ方と、下半身(翅のイメージ)が微妙に違う。
キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
2012年8月22日 十石峠・長野
この恰好なので、行動パターンは、カマキリと良く似ている。
じっと待ち伏せの体制をとって、獲物が通るのを待っている。
もちろん、空腹度が増すと、自ら動き出す・・・
残念ながら、捕獲の瞬間は見ることができなかったが、
獲物を食べる姿は、本家カマキリと全く同じだ。
このように、全然違う種類が、良く似ているのを、相似進化【注】と呼ぶ。
キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
2012年8月23日 十石峠・長野
しかしながら、体のサイズが、全く違う。
背景の葉っぱと比較しても、かなり小さいのが分かる。
キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
2012年8月23日 十石峠・長野
歩き方はそっくりだ。
細い茎を、上手に昇っていく。
キカマキリモドキ(カマキリモドキ科)
2012年8月23日 十石峠・長野
先端近くの種子があるところで、獲物を見つけたようだ。
写真の手前に、ピンボケで写っている小さなカメムシだが、
この後、さりげなく取り逃がしてしまった。
【注】相似性・相似進化:
例えば、魚類のサメと哺乳類のイルカは、「海の中をすばやく泳いで獲物を捕らえる」という、
良く似た行動パターンを持っているので、かなり良く似た体型になっている。
水中を泳いでいるときのペンギンも、まるで魚である。
このような共通祖先を持たないが、類似の体型になる進化の方向性を、相似進化と呼ぶ。
ただ、昆虫の場合には、ベイツ型擬態やミュラー型擬態との関係があるので、
多少の注意が必要であると個人的には思っているのだが・・・