ちょっとだけ不思議な虫たち【4】
特に基準があるわけではないが、
ちょっとだけ不思議な雰囲気を持った虫たちを選んで、
これから数回に分けて紹介する。
ちょっと怖いのは、これをテーマに紹介していくと、
全ての虫たちを取り上げなければならないかもしれない・・・・
どんな虫にも、不思議なところが必ずあるからだ。
ミノウスバ交尾中(マダラガ科)
2010年9月26日 乗鞍高原・長野
昼間飛ぶ蛾で、透明な翅をもっているので、
取り合えず、ハチに擬態してるのかな? と思うが・・・・
この蛾は、幼虫の方が有名で、
垣根や庭木などに使われるマサキやマユミなどを、
全て食べ尽くすこともあるほどの大害虫である。
この良く目立つ黄色と黒の幼虫は、手で触ると、
カメムシの良い匂いとは全く違う、
不快な臭いのする粘性の防御物質を出す。
おそらく、幼虫の味はあまり良くなく、
鳥やトカゲなどの外敵に襲われることはないのだろう。
この幼虫は、春までにマサキの柔らかい葉っぱ食べて、
蛹になると、そのままの状態で暑い夏を過ごす。
だから次の世代の幼虫が、マサキの堅い葉っぱを食べることはない。
そして、秋になって涼しくなると、成虫になり、
交尾して、卵を産み、そのまま冬を越すのである。
実にうまい具合に、餌植物の柔らかい葉っぱをを食べている・・・・
ラクダムシ(ラクダムシ科)
2011年6月29日 だんぶり池・青森
普段は、絶対に見かけない虫である。
これは、滅多にやらないビーティングで落ちたものである。
写真では分かりにくいが、背中にこぶがあるわけでもなく、
何で、この名前がついたのか、ちょっとだけ不思議である。
軽く調べてみると、この虫のドイツ語名に由来しているようで、
ラクダの首のような虫ということになるらしい。
こぶではなく、首の形がラクダなのか?
良く見ると、胸の部分が細長く伸びていて、
写真では、そうなっていないが、
静止するときにこの部分から上に傾けて、
頭を持ち上げる性質があるらしい。
このときの格好がラクダに似ているので、
この名前が付いたとのことで、
さすがドイツ人? (何のこっちゃ!)
今度は、自然状態で、もう一度撮りたい虫である。
アオカメノコハムシ(ハムシ科)
2011年7月3日 白岩森林公園・青森
良く見かけるカメノコハムシは、茶色で目立つが、
この子は、全身がくすんだ緑色のカメノコである。
このように、アザミの葉っぱの上に、
頭も脚も引っ込めてじっとしていると、
なかなか虫とは気づかない。
何か、イメージとして、カエルやカナヘビが、
上からパクリとやっても、つるっと滑って、
なかなか食べられそうもない感じである。
普通のハムシの仲間は、葉っぱの上に静止するときに、
脚を体の下に引っ込めることはない。
自分の姿・特徴を、分かった上でやってるのだろうか?
それにしても、ちょっとだけ変な虫である・・・・