ちょっとだけ不思議な虫の名前【2】 君は何組なの?
君は、本当は何組なの? という虫たちがいる。
そういう名前が付いた経緯を調べると、
意外に面白い話があるかもしれない・・・
しかも、自分が撮った写真がある子だけ紹介する。
とりあえず、有名なこの子から!!
名前も、遠くから見る容姿も、シロチョウ科である。
しかし、実はこの子は、アゲハチョウ科なのだ。
良く見ると、体のフサフサの毛が、この子が何組かを物語っている。
何か、TVでよくやっているクイズ番組にも・・・・
名前も、遠くから見る容姿も、スズメガ科である。
しかし、実はこの子は、ヤガ科なのだ。
自画自賛ではあるが、こういう写真は滅多に撮れない。
保護色の典型であるような表の翅の内側には、
こんな鮮やかな色が隠されている。
何か、TVでよくやっているクイズ番組にも・・・・(文章手抜き)
名前も、遠くから見る容姿も、名前もヤンマ科である。
しかし、実はこの子は、サナエトンボ科なのだ。
まあ、何組に入るかは、かなり微妙であると思うが・・・
何か、TVで・・・・(以下略)
ここで終わったのでは、なんか尻切れトンボ(懐かしい言葉?)だ。
分類学を正式に学んだことのない私が、言わずもがなのことを言うと、
「ある生き物が何組(科)になるのか?」
というのは、生物学的には、あまり重要なことではないと思う。
現在は、属と種を表わす2名法で記載され、
全ての国の、全ての生き物を、誰でも識別することができる。
その上の分類群である「科」は、もともとは、ただ単に良く似ている「種」を、
うまく(?)まとめて整理しただけで、類似度が入れ子構造にならないように、
便宜的に作られたもののようだ。
だから、厳密には「種」の分岐の歴史(普通は系統樹という)を、
反映したものではなかったのである。
よく知られているように、生物が進化していく過程で、
それぞれの「種」が分岐していく状況は、実に多種多様である。
したがって、現在2名法で記載されている種の近縁種に関しては、
それぞれの類似の程度も、当然、多種多様(バラバラ!)なのである。
このブログでも何回か触れたように、同じ属の2種が、
外観だけでは区別できない場合や、全然違った容姿を持ち、
科が違うのではないかと思える場合がある。
そのような状況にあるバラバラの種を、
同じ条件の「科」でまとめる(統一整理する)ことができるはずがない。
もちろん、さらに上位の「目」には、統一理論がある・・・はずである。
と言うわけで、今回のように、
「種名とそれが含まれる科名が異なっていても、あまり気にする必要はない」、
というのが、今回の結論なのである。