ササの葉のミシン穴の謎【1/3】 製造者は誰だ?!
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この記事は、新ブログへの移行に伴い、写真を最新のものに入れ替えて、
サイズも大きくして見やすくし、説明文も加筆・修正を行っています。
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【ササの葉の一列穴(改訂)】
↓ ↓ ↓
http://sallygenak.livedoor.blog/archives/2019-09-28.html
もちろん、そのまま下にスクロールしていただければ、
元の記事をご覧になることもできます。
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2013年12月に、このブログで、
ササの葉にできる「横一直線の穴」について紹介したが、
当時は、虫の食痕であることは間違いないが、
その種類までは、だれも特定することはできなかった。
ちょっと不思議② ササの葉の食痕
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131217/1/
それから、1年半たった現在まで、機会があれば、
ササがある場所で、いろいろな状況を想像しながら観察したが、
製造現場に居合わせたり、虫の種類を特定できるような情報は、
いまだに得られていない。
ただ、その間に、新たな発見もあったので、
もう一度、簡単に整理して紹介したい。
(01)ササの葉の食痕 【タイプA】
2013年8月12日 蔦温泉・青森
このタイプが、典型的な横一直線の食痕で、
日本では見た目から「笹のミシン穴」と呼ばれることが多い。
⇒英語圏の国では、これも見た目から、
普通に「マシンガンホール」と呼ばれるらしい。
私は、拳銃の弾痕も見たことないのに・・・
もちろん、葉っぱが開いている状態のときに、
このような特異な食べ方をする虫はいないだろう。
近づいてよく見ると、穴の大きさは、
左から右へ少しずつ大きくなっていることが分かる。
この現象をヒントに、現時点では、穴の製造者(昆虫の幼虫?)が、
展開前の棒状になっているササの新芽を、外側から中心部へ、
普通に食い進んでいくことで出来上がると考えられている。
・・・その証拠写真が、下の写真である。
(02)展開途中のササの葉の食痕 【タイプA】
2015年6月2日 白岩森林公園・青森
このような写真は、ネット上の沢山ある画像の中でも、
見かけたことはない貴重なものだと思う(自画自賛!)。
食痕を伴ったササの葉っぱは、このように展開していくのだ。
⇒穴の数は、8~10個の場合がほとんどなので、
これはまさに、展開前の新芽(?)の時期に、
葉っぱを8~10回巻いていたのだろう。
ただ、まだ柔らかい展開前の葉っぱの外側を食べずに、
葉の内部へと穿孔していくという食べ方が、
個人的には、かなり違和感があるのだが・・・
(03)先端部のないササの葉の食痕 【タイプAの例外】
2014年7月7日 羊蹄山山麓・北海道
さらに不思議なのは、幼虫が中心部分まで到達すると、
その時点で摂食を中止したのか、または、ちょうど満腹したのか、
反対側へ突き抜けることは、基本的にないという点だ。
もし、突き抜けるような食べ方をすると、
葉っぱが展開したときに、穴と穴の感覚が狭くなって、
こんな感じで、先端部分が落下してしまう。
⇒ただ、この写真だけでは、
展開する前に、すでに落下しているのか、
展開後に風などの影響で落下したのかは分からない。
(04)穴が開いていないササの葉の食痕 【タイプB】
2015年6月8日 だんぶり池・青森
ササの葉っぱには、こんな失敗作のような食痕(?)も見られる。
この写真で見る限り、8段ある食痕(?)には、
葉っぱに穴が開いていないのだ。
一体どうやったら、葉っぱを貫通しない食痕ができるのだろうか?
(05)穴が開いていないササの葉の食痕 【混合タイプ】
2013年8月8日 志賀高原・長野
これは、写真(04)の製造者とは違う虫の仕業かもしれないのだが、
こちらも、穴が貫通していない。
しかも穴(?)の大きさも不思議で、
何故か葉っぱの中央部分の方が小さくなっている。
(06)ササの葉の食痕 【混合タイプ】
2013年8月8日 志賀高原・長野
そして、こんなタイプの食痕(?)も、見かける。
明らかに穴が長細くなっていて、しかも右側の穴がふさがっている。
さらに下の部分は、穴がふさがったというよりも、
展開前に何らかの刺激によって、
葉緑素が抜けてしまったようなイメージだ。
これは、同じ虫の仕業ではないかもしれないが、1枚の葉っぱに、
タイプAとBの穴が、同時に存在していることになる。
・・・・そして、肝心の製造者の特定は?
⇒これまで写真で見てきたように、
「ササの葉のミシン穴」と言っても、
基本的に、タイプAとBの異なる形状があるので、
製造者が、別々の虫である可能性の方が高い。
そして、突然ですが・・・・
(07)ゴマダラカミキリ(カミキリムシ科)
2012年7月28日 酸ヶ湯温泉・青森
あまり上手く撮れていないが、「大あご」に注目だ。
この「大あご」の形状ならば、棒状のものを、
両サイドから挟みつけるように「ガブリ!」と噛んで、
片側を、四角に「こそぎ取る」ようにしたら・・・
そのときには、下の図のような食痕を残すだろう。
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l l_ ←こんな感じで!
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そして、衝撃の写真???
(08)ササの葉の人工的な穴 ⇒【タイプA】??
2015年6月10日 だんぶり池・青森
上の方で自画自賛しながら紹介した写真(02)と、
さりげなく、同じ状況・雰囲気になっている。
ただし、この「ササの葉のミシン穴」は、
私がある手段で、人工的に作り出したものである。
もしかしたら、ササのミシン穴の製造者は、
これまで容疑者リストにあがっていなかった、
カミキリの仲間の可能性もあるのではないか??
⇒詳細は次回に!!!
追記(20150620)
以下のアドレスが確定しました、
ササの葉のミシン穴の謎【2/3】 ちょっとだけ解明
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150620/1/