君も自然淘汰の結果なの??? ウスベニアヤトガリバ
かなり不思議な、しかも神秘的(?)な蛾を見つけた。
まずは下の写真を!!!
ウスベニアヤトガリバ(カギバガ科)
2013年7月27日 城ヶ倉・青森
その名のとおり、静止していると、前翅が、
濃淡のある薄紅(うすべに)色の非常に美しい蛾だ。
しかも、背中の部分が、大きな穴が開いているように見える。
その穴の奥には、不思議な杖のような
得体のしれないものがある(ように見える)。
穴の(ような)部分を拡大してみると、
何かヘビ(コブラ?)の守り神を、連想させる。
この模様は、どこかで見たことがある!!!
クレオパトラか?
ピラミッドか?
ウスベニアヤトガリバ(カギバガ科)
2013年7月27日 城ヶ倉・青森
少し角度を変えて撮っても、
やはり、周辺部の濃淡によって、
背中に、大きな穴が開いているように見える。
でも、これは、前回のムラサキシャチホコと同じように、
鱗粉の微妙な色合いと、濃淡によって、
前翅に描かれた模様なのである。
ウスベニアヤトガリバ(カギバガ科)
2013年7月27日 城ヶ倉・青森
よく見ると、中に見えるヘビ(?)は、
下の方が、蛾の胴体とピッタリ繋がっている。
一体何故、こんな模様になったのだろうか?
ムラサキシャチホコの場合は、明らかに、
枯れ葉に似せることで、捕食者の目を欺いているが、
ウスベニアヤトガリバには、その目的がよく分からない。
いずれにしても、切り裂かれた(破られた?)穴の奥に、
蛇がいるだけで、それはもう神秘的な、
この世のものではない世界だ!!!
記事タイトルにあるように、この模様は、
本当に、自然淘汰の結果、出来たものなのだろうか?
捕食者との関係から考えるのが普通だろうが、
はたして、この模様を、本能的に嫌う外敵がいるのか?
あるいは、交尾行動に関係する可能性もあるのだろうか?
いずれにしても、この神秘的な模様を、
単なる偶然の産物(結果)としてしまうには、
あまりにも、良く出来過ぎているように思えるのだが・・・
⇒ ⇒ ⇒ かなり不思議な昆虫の世界!!!
追記(2015年9月13日)
チョウや蛾の翅にある動物の不思議な模様について、
最近日本でも紹介された「サティロス型擬態」という概念で、
統一的に解釈できるようになった。
以下の記事をご覧ください。
【古くて新しい擬態 サティロス型擬態】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150913/1/