早春の美しい虫たち⑧/⑧
小さな天使: マ ド ガ
マドガは、タイトルのような、美しい虫とは言えないかもしれない。
しかし、静止しているのを良く見ると、
こげ茶色の地に、金色の斑点と純白の帯がある独特の容姿は、
なかなかのものである・・・と思う。
マドガ科に属し、日本には1属1種しか確認されていない。
かなり活発に飛び回っているので、最初は蛾だとは思わなかった。
肉眼で見ると、こんな風に見える。
だんぶり池で昼間飛ぶ蛾の中で、一番小さい。
いろいろな花で吸蜜したり、
地面に降りて、吸水しているのも良く見かける。
運よく、交尾中のカップルに出会った。
触角の形状が雌雄であまり差がないようで、
おそらく、性フェロモンは使用せずに、
雌雄が出会うのだと思う。
幼虫の食草は、有毒植物のボタンズルであり、
もしかしたら、マドガは捕食者に食べられない可能性がある。
香港産の近縁種では、幼虫が刺激を受けると
ある種のカメムシのような異臭を放つことも確認されている。
もう少し大きい昼間活動するシラフヒロオビナミシャクという蛾は、
だんぶり池で、しばしばクモに捕食されているのを見かける。
黒・黄色・白の警戒色っぽい体色のマドガに関しては、
もう少し観察が必要である。
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