春の珍事?! ③ アシタバのハモグリバエ
房総半島、三浦半島、伊豆半島などに自生するアシタバ。
特に、早春の山菜として有名で、
てんぷらにして食べると絶品である。
⇒と言っても、私は数年前に、西伊豆の民宿で、
初めて食べただけで、今回宿泊した旅館では、
残念ながらメニューには入っていなかった・・・
房総半島の南端の海岸から、
少し山地の方に入った林縁部に、
アシタバが、さりげなく自生していた。
確かに、てんぷらにすると、
おいしそうな(?)雰囲気の山菜である。
ただ、・・・・
アシタバとハモグリバエ食痕
2014年4月28日 館山市・千葉
虫を探しながら歩いている人間(私も!)には、
自然と、写真の赤丸のところに目が行ってしまう。
多分これは、ハモグリバエの食痕だろう。
⇒ネット情報では、アシタバの害虫として、
ハモグリバエがちゃんと記載されていた。
アシタバとハモグリバエ食痕
2014年4月28日 館山市・千葉
よく見ると、食痕は、結構な頻度で見つかる。
雌成虫が、だいたい1枚の葉っぱに、
1個ずつ卵を産み付けているようだ。
以前にも紹介したが、エカキムシと呼ばれるように、
食痕は一筆書きのように、途中で交差することはないようだ。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140107/1/
ハモグリバエ幼虫(ハモグリバエ科)の食痕
2014年4月28日 館山市・千葉
普通は、1枚の葉っぱに、1匹の幼虫がいるのだが、
この写真には、2匹の幼虫がいる葉っぱもある【注1】。
おそらく、2個の卵は、別々の雌が、時間差で産んだのだろう。
春の珍事は、ここから・・・
ハモグリバエ幼虫(ハモグリバエ科)の食痕
2014年4月28日 館山市・千葉
こんな凄いことになっている葉っぱも見つかった。
特に、真ん中に写っている真っ白に見える葉っぱには、
ほぼ同時に、数個の卵が産み付けられたのだろう。
これは、一体何匹の雌成虫の仕業なのだろうか?【注2】
いずれにしても、すぐ隣の株の葉っぱには、
全く食痕が見当たらないので、産卵前の雌成虫は
よっぽど、この葉っぱが気に入ったのだろう?!
【注1】アシタバの葉っぱは、複葉と言って、
枝に、小さな葉っぱが1枚ずつ付いているのではなく、
大きな葉に、深い切れ込みが入って、
複数の葉っぱに見えるだけなのだそうだ。
【注2】寄生蜂のように、雌成虫は、何らかの信号を察知して、
別の雌によって、すでに産卵されている葉っぱを避けて、
次の卵を産んでいる可能性は、少ないと思う。
だから、同じ雌が連続して産卵したのではなく、
数個体の雌成虫が時間をおいて、
偶然、同じ葉っぱに産んだと見るべきなのだろう。