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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

春の珍事?! ④ ヒメカメノコテントウ



今回は、最初から、春の珍事?!


ヒメカメノコテントウ(テントウムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

ヒメカメノコテントウの雄が、何を血迷ったか、
別種の雌と交尾してる??

 

 

・・・・・ん!?

 

 

ヒメカメノコテントウ(テントウムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

そうだ!!

ヒメカメノコテントウにも、ナミテントウと同じように、
斑紋の変異(多型)があるのだ。

ヒメカメノコテントウの斑紋は、
薄黄色地に黒色の模様が基本型のようだが、
赤っぽくて、模様の消失したタイプもいる。

 

 

 

ヒメカメノコテントウ(テントウムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

下になっているほうの雌成虫は、
セスジ型と呼ばれる斑紋パターンのようだが、
この個体、黒い斑紋(?)がやや大き目である。

もちろん、雄がセスジ型で、雌が基本型の逆パターンもありうる。


だから、雌雄が「どのような視覚的な手がかり」で、
交尾相手を選ぶのかについては、非常に興味深い問題である【注】

 

 

 


ヒメカメノコテントウ(テントウムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

今回の写真は、同じカップルを撮り続けたものだが、
頻繁に移動しながらの交尾である。

やっぱり、かなり怪しい人(?)の気配を感じて、
多少とも意識してるのかもしれないが、
決して葉の裏側に回り込んだり、飛んで逃げたりはしない。

もともと、体内に不味成分を持っているので、
野鳥類に襲われることはないのだろう。

 

 


ついでに、写真があるので、幼虫も・・・

 

 

ヒメカメノコテントウ幼虫(テントウムシ科)

2013年7月14日 虹の湖・青森

もう少し大きければ、まるで、
観光地の土産物屋で売ってるような幼虫。


形状、色、脚の付き方・・・安物の「おもちゃ」だ!


そして、この格好で、アブラムシを食べるのだ。

 

 

【注】基本型とセスジ型の斑紋には、何らかの共通点があって、
   雄成虫は、それを基準に選んでいるのだろう。

   もちろん、雌も雄を選ぶ権利はあるし、
   二つの型の共通点を認識して、交尾を受け入れているはずだ。

   逆に言うと、多型現象がない普通の場合(?)でも、
   虫たちは、鏡を見ることがないので、
   自分の姿が、交尾相手と同じかどうかは、
   おそらく認識していないのかもしれないのだが・・・


   当然、同種認識(交尾相手)の手段は、姿かたちだけではない。
   ある特定の行動がないと、交尾に至らない種も知られているし、
   視覚刺激以外にも、匂い(性フェロモン)やアンテナ触覚、
   場合によっては聴覚も使用する例も多い。

   

      

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