かなりの珍品? ヒウラカメムシ
今日は、久しぶりに、カメムシの話である。
しかも、超(!)希少種であるという噂の、
ヒウラカメムシ【Holcostethus breviceps Horvath】だ。
実際にヒウラカメムシの生きている姿を見た幸運な人は、
そんなに多くないはずである(多分?)。
ヒウラカメムシ(カメムシ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
実際には、何の変哲もない普通の薄茶色のカメムシだ。
1993年発行のカメムシ図鑑(Ⅰ)によると、
本種は、図鑑発行時点では、青森県と茨城県からしか、発見されていない。
(⇒極東ロシア、中国にもいるらしいが・・・)
全くの偶然であるが、青森と茨城は、
私の主要な活動地域と一致する!?
ヒウラカメムシ(カメムシ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
・・・しかし、その図鑑には、稲の穂を吸汁して、
斑点米を産出すると、さりげなく書かれている。
⇒確かにイネ科植物から見つかってはいるが、
いわゆる珍品害虫なのか(注)。
ヒウラカメムシ(カメムシ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
青森県内の生息地は、津軽半島の日本海側である。
結構、湿地や沼が多いところであるが、
ヒウラカメムシは、そんなところに生息するようだ。
本来は、撮影場所を詳細に特定すべきなのだが・・・・
ヒウラカメムシ(カメムシ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
そして、昨年発行されたカメムシ図鑑第3巻には、
ヒウラカメムシの国内分布は、「本州」に変更されていた。
おそらく青森・茨城以外でも見つかったのだろう。
ヒウラカメムシ幼虫(カメムシ科)
2013年7月15日 七里長浜・青森
あまり良い写真ではないが、幼虫も見つかった。
今回、紹介した一連の写真が撮れたのは、
黒石市在住の nabita 氏に、同行させてもらったからだ。
生息場所であるイネ科植物が繁茂する湿地には、
一人のときには、決して行かない場所だ。
しかも、目視で見つけるのは、かなり難しい。
写真の背景の雰囲気でバレバレであるが、
今回の写真は、スウィーピングで捕獲したものである。
ちなみに、ヒウラカメムシのヒウラとは、
カメムシ研究で有名な日浦勇氏に由来する。
(注)この情報源はどこだろうと、軽く調べてみたが、
日本応用動物昆虫学会が2006年に編集・発行した
「農林有害動物・昆虫名鑑(増補改訂版)」
には、ヒウラカメムシの名前はなかった。