さりげない色彩変異? オオモンキカスミカメ
今月は、「カメムシ写真強化月間」です。
頑張って、不定期にブログ更新します。
日本産カスミカメムシ科の最大種オオモンキカスミカメ。
Deraeocoris olivaceus Fabricius
体長は約15mmだが、小型種ばかりのカスミカメ類の中で、
本種は、(ネット情報では)世界最大級レベルの大きさである。
オオモンキカスミカメ(カスミカメムシ科)
2012年6月28日 燕岳山麓・長野
カスミカメの仲間は、日本に500種程度いるとされ、
カメムシの仲間でも、種類数の多いグループである。
しかも、これから紹介するように、個体変異も多く、
画像だけでは同定できない場合が結構多いのだ。
オオモンキカスミカメ(カスミカメムシ科)
2013年6月12日 安曇野・長野
この個体は、赤褐色の体色に、赤色の紋が二つある。
ちなみに、四国や九州で見つかるものは特に赤味が強く、
別種のヒイロオオモンキカスミカメとされている(注)。
オオモンキカスミカメ(カスミカメムシ科)
2013年6月12日 安曇野・長野
当然、普通種ではないようで、私も、
なぜか長野県でしか、撮影記録がない。
ハムシの幼虫などを捕らえて、体液を吸う。
この雰囲気なのに、彼らは肉食系(!)なのだ。
ところが・・・・
オオモンキカスミカメ(カスミカメムシ科)
2012年6月28日 燕岳山麓・長野
全く雰囲気の違うこの子も、
オオモンキカスミカメなのだ。
まるで別種である。
オオモンキカスミカメ(カスミカメムシ科)
2012年6月29日 野反湖・長野
こっちは、赤色の紋の形状が違うし、微妙に色も違うが、
多分オオモンキカスミカメのようだ。
もしかしたら、別種かもしれない・・・・
カスミカメの仲間は、姿は全く同じなのに別種である場合や、
どう見ても別種のような雰囲気なのに、実は同種だったりする。
それが、カスミカメの魅力(?)なのかもしれない。
(注)ヒイロオオモンキカスミカメ
Deraeocoris erythromelas Yasunaga & Nakatani, 1998
本州には、オオモンキカスミカメが生息するが、
四国や九州で見つかるものは、特に赤味が強く、
ヒイロオオモンキカスミカメとして、別種とされている。
人名とまぎらわしいが、ヒイロ(緋色)とは、
黄色がかった鮮やかな赤をさす色のことである。