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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ダムサイトのカメムシ(2014) 浅瀬石ダム


晩秋のダムサイトには、沢山のカメムシが集まる。

昔、四国のダムに毎年訪れていた頃は、あまり感じなかったのだが、
北国のダムサイトでは、いわゆる普通種の個体数の年次変動が、
かなり激しくあるようだ。

 ⇒四国のダムサイトでもあったのかもしれないが、
  当時は、普通種にあまり関心がなかった???


自宅から一番近い浅瀬石ダムでは、2012年までは、
クサギカメムシしかいない(?)状況だった。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121103/1/


ところが昨年(2013年)は、何故か、
クサギカメムシの個体数が激減して、そのかわりに、
スコットカメムシがかなり目立つようになったのだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20131123/1/

 

 

そして、今年は・・・・・?

 


スコットカメムシ(カメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

やっぱりスコットカメムシの個体数が、ダントツに多い。
しかも、相変わらず(?)、交尾してるカップルも見かけた。

成虫越冬する虫たちの交尾は、春~秋の活動期に行われるが、
スコットカメムシだけ(多分?)は例外で、
越冬中(越冬前後!)に交尾することが知られているのだ【注1】


  

 


ヨツモンカメムシ(クヌギカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

次に多く見つかったのは、昔は珍品だったヨツモンカメムシだ。
(珍品ではなく、カメムシ図鑑に載っていなかっただけかも?)

こんな写真を見て、結構驚いてくれる四国のカメムシマニアが、
少なくとも何人かは、いるはずだ。

 

 


そして、今年は、珍しい来客がチラホラ・・・

というか、昨年までは、他のカメムシを探す気にならないほど、
クサギとスコットの天下だったのだ。

というわけで、予想どおり(?)2年連続でクサギカメムシの姿は、
数えるほどしかいなかったのだ【注2】


 


ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

見つかったのは、この1匹だけ。

やっぱり、緑色系のカメムシを見つけると、ホッとする。

四国のダムサイトでは、頻繁に見つかったのだが・・・


フトハサミツノカメや、イシハラハサミツノカメには、
いつになったら出会えるのだろうか?

 

 

 

エサキモンキツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

この子も、1匹だけ見つかった。

上の、ハサミツノカメも、もともとカッコイイのだが、
背中のハートが目立つエサキモンキは、その上を行く・・・?

 

 

 

トホシカメムシ(カメムシ科)

2014年10月26日 浅瀬石ダム・青森

この子も、1匹だけ・・・

ダムサイトでなくとも、この周辺には、結構見かける。

というか、ダムでは、初めて見たような気がする。

 


その他に、ベニモンツノカメムシ、ミヤマツノカメムシ、
ツノアカツノカメムシが、少数見られた。


次回紹介予定の二庄内ダムでも見かけたので、写真はそっちで・・・


 


【注1】スコットカメムシの雄は、越冬前後の交尾時に、精子とは別に、
    栄養的価値の高い分泌物を雌に移送することが知られている。
    おそらく、卵巣成熟に寄与しているのだと思う。

    
    交尾時に雄が雌に食物をプレゼントをする虫たちは、
    シリアゲムシやオドリバエなどでも良く知られているが、
    スコットカメムシの場合は、それほど露骨ではない?

【注2】もともとクサギカメムシは、数年おきに大発生する傾向がある。

    本種は、果樹害虫あるいは家屋に浸入する不快害虫として有名なのだが、
    幼虫がヒノキの球果を餌とすることで、森林害虫でもあるのだ。

    そして、個体数の大きな年次変動を起こす最大の要因が、
    ヒノキの結実量の年次変動であることが分かっている。





   

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