今年のダムサイトは異変? スコットカメムシ
今月は、「カメムシ写真強化月間」です。
頑張って、不定期にブログ更新します。
カメムシ目の大型種を6回に渡って紹介してきたが、
前回で種切れとなって、ここからはランダムに?!
まず、今年の浅瀬石ダムサイト情報から・・・
と言っても、話題は、ただひとつ。
今年は、クサギカメムシが、極端に少なかったのだ。
昨年までは、目につくカメムシの9割以上は、
クサギカメムシだったのに(注1)。
そして、さりげなく今年の主役として登場したのが、
学名と和名が整合性がなくなってしまったスコットカメムシ(注2)。
Menida disjecta (Uhler,1860)
越冬時に、家屋に侵入する不快害虫の代表でもある。
スコットカメムシ(カメムシ科)
2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森
この状態は、まるで昨年のクサギカメムシのようだ。
写真には、多分30匹以上写っていると思うが、
その全てが、スコットカメムシである。
スコットカメムシ(カメムシ科)
2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森
もちろん以前から、スコットカメムシは、
晩秋のダムサイトの常連客であり、
毎年、ヨツモンカメムシやベニモンツノカメムシとともに、
見つけやすい種類ではあるのだが・・・
スコットカメムシ(カメムシ科)
2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森
しかし、今年は、昨年とは全く様子が違っていた。
浅瀬石ダムサイトは、スコットカメムシだらけなのである。
ずっと頑張っていたクサギカメムシが、何故か激減してしまって、
そのかわりに、スコットカメムシが激増(?)したのである。
スコットカメムシ(カメムシ科)
2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森
しかも、ダムサイトでは、あまり見かけることのない、
交尾中のカップルを、ときどき見かけた。
成虫越冬する虫たちの交尾は、春~秋の活動期に行われるが、
スコットカメムシだけ(多分?)は例外で、
越冬中(越冬前後!)に交尾することが知られている。
このような特異な交尾の機能と、適応的意義については、
岡山大学の研究グループによって、すでに明らかにされている。
詳細については、日を改めて紹介したい。
スコットカメムシ(カメムシ科)
2013年10月31日 浅瀬石ダム・青森
しかしながら、一体何故、昨年までのクサギカメムシが、
来なくなってしまったのだろうか?
この写真も、スコットカメムシだらけで、
昨年の王者クサギカメムシの姿は、全く見られない。
かなりの謎、なのである。
(注1)今年はクサギカメムシが目立つなぁ~
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121103/1/
(注2)本種の和名は、Menida scotti Puton,1886 の種小名からきているが、
scotti が disjecta の異名となって、学名が変更されたことになる。
そのため、スコットカメムシでは意味が分からなくなってしまったが、
おそらく、混乱を避けるため、和名は変更されなかったようだ。