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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

果実とカメムシ 虫えい?


これまでに、まるで果実のように、
大きく肥大した虫えいを、何種類か紹介してきた。


私の個人的な興味は、虫えいとなった植物の部位から、
カメムシは(間違えて!)吸汁するのかどうかだ。


だから、最近になってからではあるが、
おいしそうな(?)虫えいを見つけると、
カメムシがいるかどうか探してしまうのだ。

 

 

残念ながら、今年は・・・・

果実のような虫えいを吸っているカメムシは見つからなかった。


しかし、虫えいのような果実を吸っているカメムシは見つかった。

 

 

アカスジキンカメムシ幼虫(カメムシ科)

2014年9月27日 白岩森林公園・青森

まるで拳(こぶし)のような、
コブシ(モクレン科)の果実から、
吸汁するアカスジキンカメムシの幼虫。

この姿かたちは、パッと見「虫えい」であるが、
どうやら、これが正常な果実のようだ。


春一番に咲くコブシの花を見て、
何故コブシという名前なのかと思っていたのだが、
果実を見て、なるほど「これがコブシの由来か」
と一人で合点してしまった。

しかし、植物も奥が深い!!!

名前の由来を、もう少し調べてみると、
コブシの学名は、Magnolia kobus というが、
和名は、種小名のコブスから来ているようだ。


それにしても、南国のイメージのキンカメムシが、
青森県でも、普通に見つかるとは・・・・

これも、地球温暖化の影響なのか?

 

 

 

クサギカメムシ(カメムシ科)

2014年8月18日 みかも公園・栃木

ヤマボウシ(ミズキ科)の果実から、
吸汁するクサギカメムシの成虫。

この果実も、虫えいのように見えるが、違うようだ。


ちなみに、有名なハナミズキは近縁種で、
 アメリカヤマボウシという別名があることを最近知った。

 

 

 

クサギカメムシ(カメムシ科)

2014年10月23日 弘前市・青森

ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)の果実から、
吸汁するクサギカメムシの成虫。

この果実は、どう見ても虫えいであるが、違うようだ。

ただ、果実が変形していれば、タマバエの仲間の寄生により、
ヨウシュヤマゴボウミフシという虫えいの可能性もある。

この写真では、3種類の色の違う果実が写っているが、
いずれも変形は認められず、虫えいではないだろう。


ちなみに、ヨウシュヤマゴボウは有毒植物であり、
ブルーベリーと間違って誤食する事故も結構あるそうだ。

 

 

 

ヒメセグロベニモンツノカメムシ(ツノカメムシ科)

2014年6月21日 酸ヶ湯温泉・青森

ダケカンバ(カバノキ科)の果実から、
吸汁するヒメセグロベニモンツノカメムシの成虫。

ダケカンバの果実も、何気に「虫えい」に似ている。


膜質部が黒っぽいベニモンツノカメの仲間は、
昔は、なかなか同定できなかった。

この子は、本州のダケカンバにいるので、
間違いなくヒメセグロベニモンツノカメだろう。
(以下のページの【注】の部分参照)
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141101/1/

 


・・・・という訳で、今のところ、
カメムシが虫えいから吸汁する場面には、出会っていない。

 

念のため、過去にそうとは知らずに撮った写真の中から、
それらしきものを軽く探してみたところ・・・

 

 


オオヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)

2011年9月23日 白岩森林公園・青森

結構古くなっているが、少なくとも右側の果実は、
以前紹介したノブドウミフクレフシである。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20141022/1/


虫えいでも構わずにノブドウ(ブドウ科)の果実から、
吸汁するオオヘリカメムシの成虫。

結構、豪快だ!!!


やっと、本物の虫えいから吸汁するカメムシ発見!!!

 

    

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