玉川ダムのカメムシ(2014)
晩秋のダムサイトの魅力は、普段なかなか出会うことのない、
珍品カメムシが、「えっ、こんなところで!」という感じで、
いとも簡単に見つけられることだ。
だから、10月になると、珍品カメムシを探しに、
さりげなくダムサイトに行ってみる。
秋田県にある玉川ダムには、一度良い経験をしてるので、
基本的に、毎年1回以上訪れている。
しかし、カメムシの飛来条件【注1】が、
ピッタリあった(豊作の?)年は、2011年だけだった。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111102/1/
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111104/1/
それ以外の年は、一つ以上の条件が欠けて、
なかなか、2011年のような雰囲気は味わえなかった。
・・・ようやく、今年は!!
ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2014年10月24日 玉川ダム・秋田
この子は、ビーティング採集をしなくなってから、
「年に1~2回出会えれば良し」とするような、
そんな低いレベルの珍品になってしまった。
日本のハサミツノカメの仲間は、上の写真のハサミツノカメと、
ハサミが開き気味のヒメハサミツノカメの2種が知られていたが、
最近、ハサミがもっと開いたイシハラハサミツノカメという極珍品が、
新種登録されて、3種が日本に分布することが分かった。
イシハラハサミツノカメと、他2種との比較写真はこちら。
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http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121204/1/
ミヤマツノカメムシ(ツノカメムシ科)
2014年10月24日 玉川ダム・秋田
この子の、緑と赤のコントラストは、秀逸である。
晩秋のダムサイトでは、まあ普通に見かけるのだが、
普段は、なかなか出会うことのないツノカメだ。
これも、ビーティング採集をやらなくたったから・・・
改めて上の写真のような場所にいると、この色彩パターンは、
警戒色(警告色)なのか?、それとも保護色なのか?、
意見が分かれるところなのだろう【注2】。
アオクチブトカメムシ(カメムシ科)
2014年10月24日 玉川ダム・秋田
寒冷地では、結構、頻繁に見かける美麗種だ。
夏は、もっと緑色が強く、見つけると、
多分、誰でも嬉しくなる種類だ。
もちろん、名前が示すように、この色彩なのに肉食で、
マイマイガの幼虫(ケムシ!!)の体液を、さりげなく吸うのだ。
つい先日、テレビでオオムラサキの特集番組を見たが、
アオクチブトの幼虫が、完全に悪者扱いになっていた。
別にいいんだけど・・・・
ナカボシカメムシ(カメムシ科)
2014年10月24日 玉川ダム・秋田
沢山いるスコットカメムシの中に、
さりげなく混じっているのを、見つける!
これが良いのだ!!!
ちなみに、この子が、今回の写真の中で、
おそらく、いちばんの珍品だと思う。
君も、もしかしたら肉食系?・・・・【注3】
ヨツモンカメムシ(クヌギカメムシ科)
2014年10月24日 玉川ダム・秋田
もちろん、この子は 晩秋のダムサイトの常連客であり、
毎年、クサギカメムシやスコットカメムシに次ぐ個体数である。
しかし、ネット情報では、活動時期(夏?)には、
あまり見られないとされており、関東以西では珍品なのだろう。
ただ、弘前付近では、決してそんなことはない。
【注1】最も良い条件と考えられるのは、
晩秋の頃(弘前周辺では、10月後半)、
数日間、降り続いた雨の日の翌日で、
風がほとんどない快晴の日。
時間は、午前11時~午後2時がベスト。
北国では、それを過ぎると、日が陰ってくる。
【注2】一般的に警戒色とされる赤系統の色彩の虫たちが、
落ち葉の中にいたり、果実にいたりすると、
背景に溶け込んで、保護色のようなイメージになるし、
逆に、典型的な緑色系の保護色の虫たちが、
枝や枯れ葉にいたら、良く目立ってしまうだろう。
【注3】カメムシ科の Menida 属の3種は、
(ツマジロ、スコット、ナカボシ)
通常は、植物の汁を吸っているはずだが、
場合によっては、肉食もするようだ。
クチブトカメ類以外で、肉食系なのは興味深い。
問題は、その頻度なのだろうが・・・
確かに、植物の果実から吸汁するより、
チョウ目の大き目の卵の方が、栄養価が高そうだ。