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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

玉川ダムのナミテントウ(2014)


晩秋のダムサイトには、カメムシ以外にも、
成虫越冬する虫たちが、さりげなく集まってくる。
⇒(正確には、越冬場所を探す途中に、暖かい場所に立ち寄る?)

そんなダムサイトの虫たちの中で、カメムシ類に次いで、
沢山見られるのは、テントウムシの仲間だ。

中でも、ナミテントウは、比較的個体数が多いようだ。

 

もちろん、ナミテントウは、色々と不思議な虫である。


アケビコノハ(成虫・幼虫)が擬態の帝王なら、
ナミテントウは、色彩変異の帝王だ(?)・・・⇒個人的な感想!


今回の玉川ダムでは、大別すると4種類の基本の斑紋型のうち、
3種類(4タイプ)が、同時に見つかったのだ。

 

 

ナミテントウ4紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

黒字に赤い斑紋を左右に2個ずつ持つ4紋型。

写真のような赤色と黒色からなる斑紋は、
このブログで、何度も紹介したように、
かなり良く目立つ警戒色(警告色)の典型だろう。

緑色の葉っぱの上にいれば、なおさらのことだ。

 

 


ナミテントウ2紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

黒地に赤い斑紋を、左右に1個ずつ持つ2紋型。

ただ、イメージは、最初の4紋型とあまり変わらない。


野外でも、交尾カップルを、しばしば見かけるが、
ナミテントウは、異なる斑紋のものが、普通に交尾している。

だから、視覚的には仲間を見分けていないようだ。

 

 

 

ナミテントウ紅型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

赤地に黒い斑紋を多数持つ紅型。

ナミテントウの基本的な体色(元の前翅の色)は、
赤色科黒色、一体どっちなのだろうか?

いずれにしても、赤か黒の地色に、それぞれ逆の、
黒色か赤色の斑紋(模様?)があるのが普通だ【注1】


考えてみれば、前翅の地色が、赤色か黒色かでは、
まるで正反対のような気がするのだが、
何故、こんなに手の込んだことをするのだろうか?

 

 

 

ナミテントウ無紋型

2014年10月24日 玉川ダム・秋田

こちらは、赤地に無紋の紅型の変形。

よりによって、斑紋がないものもいるとは!!

さすが、色彩変異の帝王の名に恥じない。


このダムでは、どのタイプが多かったのか?

もちろん、数値を出すほどの観察はしていないのだが、
紅型とは真逆の黒地に赤い斑紋を多数持つ斑型は、
少なくとも今回は、見つからなかった。

というか、ここ数年間で、玉川ダムでは、
斑型は、一度も見ていないような気がする。

 


このブログでも、何度か紹介したが、
テントウムシは外敵に襲われると、足の付け根付近から、
匂いの強い赤い液体を出すことが知られている。

この汁は、鳥が食べると不快な味がするようで、
この斑紋パターンを覚えた(学習した)鳥は、
2度とテントウムシを捕獲しようとはしない。


・・・・・ん!?


では、一体何故、ナミテントウは、
4種類もの斑紋を持つようになったのだろうか?

野鳥類に、不味い味と色彩の関連を覚えさせるには、
斑紋パターンは1種類しかない方が、
どう考えても効率的はずだ【注2】

 

ところで、このブログでも昔紹介したことがある、
マルウンカという類縁関係のないカメムシ目の虫がいる。

この子は、テントウムシに擬態しているのだが、
モデルとなったのは、あまり見かけないシロホシテントウのようだ。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130705/1/


どうせなら、もっと普通種をモデルとした方が、
良さそうな気がする・・・??

・・・ということは、おそらく、
テントウムシのような(?)半球状の姿かたちであれば、
色や模様は、多少のバラツキがあっても、
野鳥類などの外敵は、みんな同じテントウムシの仲間として、
学習するのかもしれない。


さすが、ちょっとだけ不思議な昆虫の世界である。

 


【注1】ナミテントウの斑紋パターンは、
    単一遺伝子座の複対立遺伝子により支配され、
    その組み合わせによって決定されることが
    すでに明らかにされている。

    しかも、対立遺伝子構成は極めて多様性に富み、
    微妙に異なる200以上の斑紋型が存在するようだ。


【注2】良く知られているように、毒を持たない虫が、
    有毒の虫に似せるベイツ型擬態の場合には、
    目立つ効果が同じならば、いろいろなタイプがあった方が、
    捕食者に学習されなくてよいという考え方がある。

    もしかしたら、ナミテントウはそれほど不味くない?

 

 

   

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