金属光沢のハエ マダラアシナガバエ
マイナーな金属光沢の虫たち、6回目は、
虹色に輝くマダラアシナガバエ・・・・
そんなに多くないと思うが、他にも、
同じハエ目の仲間に、金属光沢のものがいる。
その名も、(良いのか悪いのか分からないが)
キンバエという微妙な呼び方をされる虫だ。
何故か、昔からあまりイメージが良くない?!
当然、見かける場所と生態が悪い(?)からだろう。
私の子供のころは、東京でも大発生することがあった。
当時ゴミの島などと呼ばれていた「夢の島」が、
キンバエやイエバエなどの発生源になっていたのだ。
しかし、今回のマダラアシナガバエは、
間違いなくマイナーな美しいハエである。
マダラアシナガバエ(アシナガバエ科)
2010年8月3日 だんぶり池・青森
その名のとおり、体が金緑色のまだらに輝く、
脚の長い小さなハエである。
ただ、実はこの仲間はハエではなく、
ムシヒキアブのような捕食性のアブなのだ。
そうかと言って、アブとハエは、分類学上も、
明確に違いがあるわけではない(らしい)。
マダラアシナガバエ(アシナガバエ科)
2010年8月3日 だんぶり池・青森
最初の写真では、金属光沢が分かりにくかったが、
近寄ると、確かに光っている。
背景の葉っぱも光を反射しているので、
緑を基調とした金属光沢の場合には、
保護色的な効果があるのかもしれない。
ただ、胸から腹にかけて、体表の色が、
緑⇒黄⇒青⇒緑⇒黄⇒赤⇒紫
と、微妙に変化しているので、やはり目立つ!!
これが、微妙な虹色の金属光沢は、
保護色なのか、警告色なのか、不思議感満載だ!!!
多分、この子は、小さな獲物を探しているのだろうが、
残念ながら、虫を捕らえたところを見たことがない。
これで、本当に捕食者なのだろうか?
マダラアシナガバエ(アシナガバエ科)
2012年8月7日 小泉潟公園・秋田
こちらは、捕食中ではなく、交尾中の写真である。
どちらかというと、交尾中の方が、捕食中より、
見る機会が少ないような気がするのだが・・・
マダラアシナガバエ(アシナガバエ科)
2012年8月7日 小泉潟公園・秋田
例によって、アブレ雄が、背後から・・・(多分)
この写真を見るかぎり、金属光沢は、雌雄に差はないようだ。
もしかしたら、雌雄ともに金属光沢に反応するので、
こんな光景がみられるのかもしれない。
というわけで、今回のマダラアシナガバエ、
サイズ的にも、野鳥類に頻繁に食われるとは思えないし、
何故、わざわざ7色に輝く金属光沢を持ったのか、
現時点では、全く不明なのである。