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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

金属光沢のハチ ルリチュウレンジ


マイナーな金属光沢の虫たち、5回目は、
全身が、暗い紺色の綺麗なハバチの仲間、
ルリチュウレンジ・・・・


ハチの仲間で、金属光沢を持つ種類は、
おそらく、あまり多くないだろう。

 

 

・・・?

 


ルリチュウレンジ(ミフシハバチ科)

2012年9月25日 東海村・茨城

目の前を、見慣れない青い虫が飛んだ。

すぐに追いかけて、シャッターを押すが、
結構動きが早く、ピントが合わせにくい。


⇒普通の昆虫関係のブログでは、
 基本的に見ることが出来ないような、
 典型的なピンボケ写真を、
 ピントが合わせにくいとか、平気で言って、
 さりげなく使う ・・emoji・・

 

 

 

ルリチュウレンジ(ミフシハバチ科)

2012年9月25日 東海村・茨城

幼虫は、ハバチの仲間なので、
チョウや蛾の幼虫と同じ雰囲気で、
ツツジの葉っぱを食べる。

ツツジは、有毒植物とされており、
幼虫は、有毒成分を体内に摂り入れるので、
おそらく野鳥類に食べられることはないだろう。

当然のこととして、幼虫は典型的な警戒色である。

しかも、成虫にも、マダラチョウの仲間と同様に、
有毒成分が残っている可能性は十分ある【注1】

 

 

 

ルリチュウレンジ(ミフシハバチ科)

2012年9月25日 東海村・茨城

一枚だけ撮れた、フォーカスの決まった写真。

全身の青藍色の金属光沢は、実に見事だ。


しかし・・


手持ちの図鑑には、
体と足は光沢ある青藍色で、翅は暗色半透明、触角は黒色
となっており、
確かに展翅した標本写真では、そうなっている。

でも、今回のような生態写真で見ると、
体の全ての部分が、同じ青藍色のように見える。


逆に言うと、生態写真だけで同定しようとして、
おもむろに図鑑を開いて、絵合わせを試みても、
こんな全身が金属光沢のハチの標本写真は載っていない。

おそらく途中で、あきらめて投げ出してしまうだろう(私なら!)。


これが、光の反射によるトリック(?)なのかもしれない。

 

 

ん!!!


そんなことより、この雰囲気の写真は、
どこかで見たことがあるぞ!?

 

 


そうだemoji

 


全身がすべて青藍色のヒメツチハンミョウだ!!

 

 

ヒメツチハンミョウ(ツチハンミョウ科)

2010年9月26日 乗鞍高原・長野

この子の詳細、不思議な行動・生態については、
かなり前のこのブログでも紹介した。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110504/1/

ヒメツチハンミョウは、強力な有毒成分を体内に持っている。

だから、警戒色(金属光沢)の虫ではあるが、
ベイツ型擬態のモデルになっているとは、
当時(3年前!)は、思っていなかった。


今回、ルリチュウレンジ(の写真)を改めて眺めていると、
ヒメツチハンミョウに擬態している可能性もある気がする。

ただ、個体数(少なくとも成虫の!)は、
モデルの方が、かなり少ないような気がするのだが・・・【注2】

 

【注1・2】
   ヒメツチハンミョウとルリチュウレンジは、
   ミュラー型擬態である可能性も十分考えられる。

   一般的に、ベイツ型擬態のモデルになるような種は、
   自分の危険性を、相手に知らせる警戒色をしているが、
   それをまだ知らない捕食者にとっては、よく目立つので、
   逆に、格好の獲物となってしまう。
 
   だから、最低でも一匹は捕獲されて、その危険性を、
   捕食者に十分、学習させなければならない。

   そのリスクを少なくするために、危険種同士が似た姿になると、
   最初の犠牲者を最小限にすることが出来るのだ。
   ↓  ↓  ↓
   http://kamemusi.no-mania.com/Date/20101114/1/


   

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