ちょっとだけ不思議な虫たち エゾシロチョウ
ようやく北海道も夏になった頃、
札幌に住む娘のところへ、さりげなく行ってみると・・・
市街地でも、海岸線でも、峠道でも、高山の林道でも、
どこに行っても、北海道にしかいないエゾシロチョウが、
本州以南のモンシロチョウのように、たくさん飛んでいる。
一応、果樹害虫ということになっているらしいが・・・
エゾシロチョウ(シロチョウ科)
2011年7月10日 阿寒湖・北海道
ウスバシロチョウに、雰囲気が似ていて、
ふと間違えてしまいそうになるが、
さすがに、7月になると、もう飛んでいない。
しかも、アゲハチョウ科のウスバシロチョウよりも、
シロチョウ科のエゾシロチョウの方が大きいのだ。
えっ?! この写真じゃ、分からないって?!
とっておきの写真があります!!!!!
エゾシロチョウとモンキチョウ
2010年6月29日 十勝・北海道
モンキチョウ(夏型の雄)と一緒に、レンゲの蜜を吸っている。
こうして、直接比較すると、その大きさがよく分かる。
・・・・・・
でも、上に飛んでる子の翅の模様が、なんかおかしい???
最初は、研究目的のマーキング個体かと思ったが、
どうも、花粉が付着しているようにも見える。
⇒やっぱり、ちょっとだけ不思議だ。
エゾシロチョウ(シロチョウ科)
2011年7月9日 網走・北海道
もう一つ、不思議なことがある。
エゾシロチョウは、他のチョウと違って、
先に羽化した雄が、雌が羽化してくるのを傍で待っていて、
まだ雌の翅が乾かないうちに、交尾行動に移ることがあるのだ。
エゾシロチョウ(シロチョウ科)
2011年7月9日 網走・北海道
しかも、待ってるのが、雄1匹だけではない場合だってあるし、
さらには、交尾中のカップルの雌にも、雄はちょっかいを出すのだ。
だから、こんな光景がしばしばみられる。
この一連の写真を撮った約10分の間、
雄は、何故か執拗に交尾中のカップルの周りを飛び、
あわよくば、雌を奪い取ろうと、襲い掛かっていた。
このような雄が、実際に交尾できるとは到底思えない。
一体、何のために、こんなことをするのだろうか?
⇒やっぱり、かなり不思議だ。
エゾシロチョウ(シロチョウ科)
2011年7月9日 網走・北海道
もう少し、近づいてみると、雄の翅はボロボロで、
雌をめぐって「すさまじい戦い」が繰り広げられた様子を物語っている。
しかし、写真を改めて見直してみると、
上の方の写真にあったようなオレンジ色の部分が少し見える。
どうも、マーキング説ではなく、花粉説の方が有力そうだ。
少なくともこの子たちに付着しているオレンジ色の粉は、
付近にいっぱい咲いているエゾカンゾウの花粉で間違いなさそうだ。