ちょっとだけ不思議な虫たち シロスジベッコウハナアブ
いつもの白岩森林公園の林道で、不思議な光景を見た。
普段は、あまり写真の被写体になることはないアブ君であるが、
今回だけは、「???!」という感じだった。
遠くで見ると、かなり不安定な草に、何かが引っ掛かって、
ぶら下がっているように見えた。
シロスジベッコウハナアブの仲間(ハナアブ科)
2011年6月22日 白岩森林公園・青森
よく見ると、お腹側にもう一匹いて、
しがみつくようなイメージで、もがいていた。
シロスジベッコウハナアブの仲間(ハナアブ科)
2011年6月22日 白岩森林公園・青森
写真では、伝わらないが、2匹とも、
かなり不思議な動きをしていて、
どうしたのか?と、思わず見入ってしまった。
シロスジベッコウハナアブの仲間(ハナアブ科)
2011年6月22日 白岩森林公園・青森
しばらく観察した結果、どうやら、交尾行動のようで、
ぶら下がっている風に見えた(おそらく)雌が、
必死に翅を震わせている。
シロスジベッコウハナアブの仲間(ハナアブ科)
2011年6月22日 白岩森林公園・青森
少し横から撮ってみると、交尾が成立したようだ。
このような交尾姿勢(?)は、アブやハチで見られる。
シロスジベッコウハナアブの仲間(ハナアブ科)
2011年6月22日 白岩森林公園・青森
そのまま、両方とも、さりげなく静止したが、
これは・・・・・かなり不思議な光景だった。
遠くから見ると、ハチのように見えるので、
こんなに目立つ場所で、交尾していても、
外敵に襲われる危険はないのだろうか?
白岩森林公園は、いつも野鳥類が多く、
ここは、色々な鳴き声が聴ける場所でもある。
実は、このアブ君には、もう一つ不思議なことがある。
ベッコウハナアブの仲間の多くは、幼虫時代には、
スズメバチ類の巣に寄生して育つのだ。
どうして、ハチの巣の中に入り込むことが出来るのだろうか?
まさか、母親がハチに擬態しているので、ハチの巣の中に、
さりげなく入れるなんてことはないと思うが!!!
もうすでに調べられているかもしれないが、
もしかしたら、前回のチャイロスズメバチの場合のように、
自分の匂いをハチにあわせたり、匂いを消したりして、
化学擬態している可能性もあるかもしれない。
ただ、前回のチャイロスズメバチの場合とは全く違って、
巣そのものを乗っ取ることは、当然できない。
おそらく、ベッコウハナアブ類の雌成虫は、
土中に営巣するクロスズメバチ類の巣の外側に産卵する。
ネット情報では、孵化した幼虫は、
スズメバチの巣から捨てられた成虫の死体など食べるが、
営巣末期になって、巣の勢いがなくなると、巣の内部に侵入して、
スズメバチの幼虫を襲って食べてしまうらしい。