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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

虫を食べる野鳥類① シジュウカラ


このブログでは、機会あるごとに、
「虫たちの行う外敵に対する防御手段」について、
できるだけ、写真入りで紹介してきた。

様々な工夫を凝らして身を守る虫たちに対して、
一方の捕食者側も、その防御手段に対抗しようとする。


餌を捕獲しないと生きていけない捕食者側から、
虫たちを見ることで、また別の面白い発見があるはずだ。

 

今回から、虫たちの最恐(!)の天敵である野鳥類について、
さりげなくシリーズで紹介して行きたいと思う。

 


とは言っても、写真を撮れたものだけ順不動で・・・

 

 

虫を食べる野鳥類の代表として、
第1回目にふさわしいのは、
やはりシジュウカラだろう。

日本全国に広く生息している留鳥で、季節を問わず、
市街地の公園や、山地の林縁部、草原や湿原などで、
虫の写真を撮っているときにも、比較的良く目にする野鳥である。

 

 


シジュウカラ(シジュウカラ科)

2010年3月23日 深谷市・埼玉

ようやく芽吹き始めた枝(黄色○印)に、
活発に動き回っているシジュウカラを発見した。

おそらく、餌(虫)を探しているのだろう。

 

 


シジュウカラ(シジュウカラ科)

2010年3月23日 深谷市・埼玉

シジュウカラは、頭と喉の部分は黒く、
頬に大きな半月状の白色部分があるので、
素人の私でも、比較的分かりやすい鳥である。

 

 


シジュウカラ(シジュウカラ科)

2010年3月23日 深谷市・埼玉

このように、シジュウカラは、
越冬明け後に、のろのろと這い出してきた虫たちを、
待ち受けているように捕食する。

冬場の餌が少ない時期には、樹皮の間で越冬している虫を、
くちばしで突いて探し出し、食べることもあるようだ。

こんなときには、虫たちの保護色は、あまり有効でないだろう。

 

 

そして、この枝の下は、こんな感じで、
スミレが咲いている典型的な早春の草地である。


2010年3月23日 深谷市・埼玉

シジュウカラの写真を撮った後、さりげなく私も、
目の届きそうな枝や、真下の草地を探してみると、
ハエやハナアブ、微小甲虫類が、簡単に見つかった。

おそらく、そんな虫たちが、餌になっているのだろう。

 

 

というわけで・・・(虫のブログです)

 

 

野鳥類の体のサイズや行動能力を考えると、
彼らの単位時間当たりの捕食量は、
カマキリやクモなどの節足動物の捕食者よりも、
おそらく、ケタ違いに多いはずだ。


例えば、大阪府が万博公園で行った調査がある。

育雛期(平均8羽のヒナがいる!)のシジュウカラ夫婦は、
たった1日で、約500匹の虫を巣に運んだことが確認されている。

1羽のヒナ鳥は、一日で、約50匹の虫を食べていることになるのだ。


この数は、一日数匹の餌でこと足りるカマキリやクモと比べると、
頭がクラクラするほどの数字である!!!!

もちろん、ヒナ鳥の日齢でも、食べる量は異なるだろうが、
単純計算すると、わずか20日程度(多分?)で巣立ちするまでに、
合計約10,000匹もの虫たちが、犠牲(幼鳥の餌)となっているのだ。

万博公園に、10組のシジュウカラ夫婦がいたとすると、
なんと10万匹の虫たちが、いなくなっていることになるのだ。



やっぱり、虫たちにとって「何らかの防御手段」は、
必要不可欠なことなのかもしれない。

虫たちの防御戦略シリーズ(①~⑪)にまとめてありますので、
11回連続ですが、時間のある時にでも、ぜひご覧ください。
↓  ↓  ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130201/1/

 

 

    

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