虫を食べる野鳥類⑦ カッコウ
虫たちの間では、比較的普通のことなのであるが、
鳥の仲間でも、自分では巣を造らずに、
他種の鳥の巣に、自分の卵を産んで、
子育てを、その巣の持ち主に任せることが知られている。
有名なのが、カッコウやホトトギスだ。
大型の脊椎動物にも、生存戦略の一環として、
このようなハイリスク・ハイリターン(?)の行動が、
進化する余地があったのだろう。
⇒軽く調べてみると、カッコウの場合は、
「体温が安定せず(低すぎて?)、自分で抱卵しても、
卵を孵化させることが困難であるため、
別種の似たような鳥に、卵を温めてもらう」
という托卵行動が進化したと説明されているようだ。
そんなことより・・・・
実は、全く個人的な感想を書かせてもらえば、
何を隠そう私は、沢山いる野鳥類の中で、
カッコウのあの独特の鳴き声が、いちばん好きなのだ。
これまでの経験から、カッコウの鳴き声は、
人里離れた高原や、静かな山の中だった。
ところが、弘前市内の自宅(住宅地?)にいても、
年に数回ほどであるが、カッコウの鳴き声が聞こえるのだ。
ただ、ネット情報では、最近になって、初夏の東京周辺でも、
カッコウの鳴き声を聞けるようになったらしいのだが・・・
何かが変化してきたのだろうか?
ある日の夕方、今は亡きアイン君と散歩中、
懐かしいカッコウの鳴き声がした。
(⇒最初は、またメールか? と思ったが・・・)
信じられないと思う人がいるかもしれないが、
携帯のメール着信音と、本物の鳴き声の区別がつかない状況が、
特に野外で活動(?)していると、よくあるのだ。
今回は、遠くの家のテレビのアンテナに、
見覚えのある尻尾の長い鳥がいた。
本物の鳴き声だったのだ・・・・
最大のズーム倍率で撮り、しかもトリミング!!
尾羽の位置がやや下がっているが、
これは、明らかにカッコウだ。
いつも、写真を撮りたいと思っていたが、
ようやく・・・やっと、撮れたという感じである。
というわけで、このシリーズのテーマ、
カッコウは、何を食べているかという問題である。
悪食の代表とされるカッコウの食性は、
もちろん動物食がメインであり、普通は、
小昆虫やクモなどの節足動物を、食べているようだ。
ただ、カッコウの場合は、おそらく、
自らヒナに餌を与えることがないためか、
大きなケムシも、選り好みせずに食べる。
もし仮に、カッコウに托卵習性がなかったとしたら、
捕獲したケムシのような餌も、イモムシと区別なく、
自分のヒナに与えるのだろうか?
個人的には、非常に興味ある問題だ(!?)。
他のほとんどの鳥は、基本的には、
ケムシよりもイモムシの方を好んで食べるようだが・・・【注】
・・・と、さりげなく書いたが、
本当に、ほとんどの鳥は、
「明らかに見た目が悪い、体中毛だらけのケムシよりも、
多少湿っている(?)ようなイモムシ」
の方が、好きなのだろうか?
明らかに、ケムシの方が、明らかに、
外観(見た目)に、大きなコストをかけている。
わざわざ、これだけのことをするからには、
何らかの見返り(メリット)があるはずである。
【注】左のケムシは、アカヒゲドクガ幼虫(乗鞍高原20110816)で、
右のイモムシは、シモフリスズメ幼虫(弘前市20131015)だ。
普通に考えれば、カッコウ以外の野鳥類は、
迷わず、右のイモムシを食べるはずだ。
記憶が定かではないが、昔見たテレビ番組でも、
簡単な実験をやっていた(!?)。