虫を食べる野鳥類⑫ ツグミ
(虫を食べる野鳥シリーズ、さりげなく再開します)
これまで10種以上の野鳥類を紹介してきたが、
虫たちが行う様々な直接的な防御手段に関しては、
どうも、虫たちの最大の天敵である野鳥類には、
あまり有効でないようなイメージだった。
擬態とか、保護色とか、疑死とか、自切行動とか、
一体どこへ行ってしまったのだろうか・・・
昔、「自然淘汰による進化を否定」する人たちの言い方で、
虫たちが、どんな防御手段を用いても
野外で実際に虫が食われている現場を見ると、
そんな防御手段とは無関係に、運だけの世界で、
捕食者と出会ったら、ほぼ100%食われてしまう
という有名なフレーズもあるほどだ。
それでも、やっぱり、間違いなく、ほんの少しでも、
その個体の生存率を上げるような防御手段があれば、
進化してくるのだろう。
今回の虫を食べる野鳥は、渡り鳥のツグミ。
冬になると、市街地の公園や草地などで、
ごく身近に見ることのできる野鳥だ。
シベリアで繁殖したツグミは、日本海を越えて、
10月下旬に、日本各地に飛来する。
だから、日本で見られるのは、
晩秋から春までの短い期間に限られる。
当然この時期は、気温が低く、虫が少ない季節なので、
樹上では木の実を食べ、地面に降りると、
泥や落ち葉の中の、ミミズや小昆虫を食べるようだ。
駐車している車が多い、早朝の道の駅。
まだ2月なので、この場所には、
おそらく、活動している虫はいないだろう。
完全に芝生が枯れているし・・・・
ようやく春らしくなった都会の公園。
越冬した虫たちがそろそろ這い出してきたころ、
そこには、見た目は可愛らしいが、恐ろしい捕食者が・・・
虫たちが本格的に活動を開始するちょっと前、
こんな雰囲気のブッシュの側には、予想以上に虫がいる。
彼らは、それを知ってるかのように、この場所に来る。
ツグミ(ツグミ科)
2011年4月13日 ひたちなか市・茨城
秋に日本に渡って来た時には、群になっているが、
本格的な冬になると、微妙に分散して、
農地、公園、川原、干潟などの開けた場所で、
地面を歩きながら、ミミズや昆虫を、
食べることが多くなるようだ。
そして、今年・・・
ツグミ(ツグミ科)
2014年3月19日 ひたちなか市・茨城
ようやく春の訪れを感じ始めて頃の水辺。
彼らが一体何を食べてるのかをしばらく観察した。
このときは、(多分)ミミズを食べるのを目撃したが、
一瞬シャッターを切ることができなかった。
ネット情報では、日本では、ほとんど、
ツグミの鳴き声を聞けないとされている。
冬には、ずっと口をつぐんでいるので、
ツグミと呼ばれるようになったらしい????