虫を食べる野鳥類⑮ キセキレイ
前回紹介したツバメは、飛行中の虫を、
飛びながら捕獲することが多いが・・・・
他の野鳥類では、どうなんだろうか?
野鳥類が餌となる虫を探し出し、捕獲するときは、
以下のような状況がありそうだ。
①木の近くをゆっくり飛びながら探す。
②木の枝を、歩きながら探す。
③見通しが良い場所に止まり、そこから見える範囲をじっと探す。
④木の枝を飛び跳ねながら移動し、
びっくりして飛び立った獲物を空中で捕まえる。
⑤飛んでいる虫を飛びながら捕獲する。
⑥地面を歩いて、隠れている虫を探す。
⑦水場付近に集まる虫たちを探す。
今回は、キセキレイを例に、野鳥類が、
虫を探し出して、捕獲する状況を想像(!)してみよう。
キセキレイ(セキレイ科)
2010年5月10日 弘前市・青森
桜の花も散ると、北国の弘前にも、
ようやく虫の季節がやってくる。
水田が耕起されると、驚いた虫たち(?)が這い出てくる。
それを狙って、色々な捕食者たちが集まってくるのだ。
目の前を、お腹の黄色い鳥が舞った。
上記の①~⑦の捕獲方法のどれだろうか?
⇒多分⑥
キセキレイ(セキレイ科)
2012年6月27日 白馬岳山麓・長野
大雪渓から流れ出てくる冷たい雪解け水も、
流れも淀んだ場所では、水温も上がるのだろうか?
キセキレイは、このように、水辺を好み、
水中や岩陰などに棲む虫たちを捕えて食べる。
石をひっくり返すと水棲昆虫の幼虫がいる。
⇒間違いなく⑦
キセキレイ(セキレイ科)
2013年5月17日 白岩森林公園・青森
キセキレイは、地面だけでなく、枝にもいる。
野鳥類が、飛んでいる小さな虫たちを見つけて、
あっという間に、飛びかかっていくのは、
林道を歩いていると、比較的良く目にする。
この子は、数秒後には、ゆっくりヒラヒラ飛ぶ小さな蛾を、
飛んでる方向に回り込むように先回りして、空中で捕獲した。
⇒③または⑤
キセキレイ(セキレイ科)
2013年5月17日 白岩森林公園・青森
夏季の渓流沿いなどでは、
セグロセキレイ、ハクセキレイとは、
概ね棲み分けているとされている。
口にくわえているものは、
虫のように見えるが、違うかもしれない。
⇒⑥・・・・やはり、このタイプが一番多いのか?
しかし!!!
野鳥類以外の捕食者【カマキリ、ハチ、クモなど】は、
動いているものだけを、敏感に察知し攻撃する。
逆に言うと、カマキリやクモは、全く動かないものに対して、
基本的に攻撃はしない、というか複眼の構造から、出来ないのだ。
だから、良く見かける光景で、
食うものと食われるものが向かい合って、
数分間全く動かないことも良くある。
これが、知能がある野鳥類の捕獲方法とは違うのだろう・・・