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  • 2017.09
これは交尾擬態か? ヒトツメカギバ

今回の発見は、ちょっとだけではなく、かなりの衝撃だった。


オスとメスが、互いに協力(?)した新しいタイプの擬態のようである。

少なくとも私は、過去にこのような例を知らない!!!

 

仮称として、交尾擬態(または協力擬態?)ではどうだろうか?

 

 

ヒトツメカギバ(カギバガ科)

2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

葉っぱの上に、全く隠れようとせずに止まっている白い蛾!!

この状態でも、鳥の糞のように見えなくもない。


でも、やっぱり、輪郭は間違いなく蛾である。

緑の葉っぱの上にいると、かなり目立つ!!

 


・・・と、ここまでは、良く見る光景である。

 


ところが!?
 

衝撃は、ここから始まった。

 



2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

写真の真ん中に、鳥の糞が写っている。

 

 

えっ~?!

 

 

ヒトツメカギバ(カギバガ科)

2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

もう少し、近づいてみると、ちょっとだけ、様子がおかしい??


何と、白い蛾が交尾しているようだ。

 

 

輪郭が、全く蛾ではない!!!

 

 


ヒトツメカギバ(カギバガ科)

2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

さらに近づいて、別角度から見ると、

多少違和感があるが、ヒトツメカギバが、確かに交尾している。

もちろん、この違和感というのは、
普通の蛾の交尾の状態ではないからである。

明らかに、交尾することによって、
左右対称の本来の蛾の輪郭を消しているのだ!!!

 

 

そして!!!!

 

 


ヒトツメカギバ(カギバガ科)

2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

10mほど離れたところに、別のカップルがいた。

こちらも、なんと交尾中・・・・

同じように、2匹が合わさると、普通の蛾の輪郭ではなくなっている。


まさにこれは、鳥の糞である。

 

 


さらに!!!!

 

 

ヒトツメカギバ(カギバガ科)

2012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

近くで、また3組目のカップル発見!!

こちらも、微妙に左右対称の状態にはなっていない。

このカップルは、まあ、蛾が交尾してるように見えなくはないが・・・

 

 

最後に、新たな衝撃!!!!!

 

 


ヒトツメカギバ(カギバガ科)

012年9月13日 芝谷地湿原・秋田

また別の場所で、4組目のカップルを発見!!!


こっちは、驚くべきことに、交尾は終わっているようだ。
(⇒時間的に、交尾前とは考えにくい?)

しかし、このように、ある程度重なったまま離れようとしない。
交尾が終わって、ただ名残を惜しんでいるわけではないのだ。
冷静に観察すると、この役者カップルの迫力のある演技(!)が理解できる。

このような、全体の輪郭を細長く見せるような重なり方は、
鳥の糞が、垂直に近い葉っぱの上に落ちて、
下の方に垂れ下がったような雰囲気を出しているのだ。


偶然とは思えないし見事というしかない!!!!!!


これが意識的に(?)演技しているのだとすると、
逆に言うと、最初のカップルの重なり方も、また見事である。
ほぼ水平の葉っぱの上で交尾する場合には、鳥の糞が、
水平の葉っぱの上に落ちて、均等に広がった状況を、
再現(?)していることになる。

ヒトツメカギバのオス成虫は、自分が止まっている葉っぱが、
水平に近いのか、あるいは垂直に近いのかを分かっていて、
雌雄の重なり方を変えているのだ。


こんなことが、本当にあるのか!!??

 

 

今回、ほぼ同じ場所で、いずれも、当然よく目立つ葉っぱの上で、
4組のカップルを連続で発見したことになる。

このように、次々に、いとも簡単に見つけることができたということは、
少なくとも、視覚的に獲物を探す捕食者(おそらく鳥類)の目を、
完璧に欺くほどの保護効果があった証拠だろう。

 


虫たちが色々なものに似せて、外敵の目を欺く防御戦略には、
彼らがどうしても変化させることができない宿命的な欠点がある。
それが、左右対称の姿かたちなのだ。

このブログで何度も紹介しているように、保護色を持った虫たちが、
自分がいる背景を間違えてしまう(?)と、そこでは、
本来のその虫たちの(蛾やセミの)外観が、むしろはっきりと表れてしまう。

ほぼ完璧に枯れ葉に擬態したマエグロツヅリガが、枝の部分まで創っても、
残念ながら、左右対称の姿かたちを、変えることはできなかったのである。
だから、目立っても大丈夫な「枯れ葉」に擬態したのだろう。
↓  ↓  ↓  
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120729/1/

もちろん、コノハムシやカレハカマキリでも、全く同じで、
左右対称の外観は、それが虫たちの宿命なのである。


しかし、今回のように2匹が協力(?)し合えば、話は別である。

ヒトツメカギバの成虫が、どんなに精巧に鳥の糞に擬態しても、
単独でいるときに輪郭を見れば、明らかに蛾だと分かってしまうが、
交尾中に、うまく重なっている場合には、左右対称ではなくなり、
蛾の輪郭は、完全に消されてしまうのだ。

そして、このような不規則な外観は、より鳥の糞に似てくるのである!!


もちろん、他の種類の蛾が交尾するときには、普通にお尻とお尻が繋がるので、
左右対称の輪郭は、そのまま残ってしまうが、
このような左右対称にはならないような交尾姿勢は、
鳥の糞に擬態するヒトツメカギバにだけ(?)特別に進化してきた行動なのだろう。

 

ヒトツメカギバが成虫になってから、交尾するまでに、
どの程度の期間があるのか、現時点では全く不明であるが、
少なくとも単独でいる時間より、交尾している時間の方が、
外敵に対して、保護されている状況にあると仮定すると、
交尾終了後も、雌雄が離れずに、そのままでいる方が良いことになる。

それが最後の写真に、見事に表れているような気がするのだが・・・

 

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【2012/09/18 06:04 】 | 擬態 | 有り難いご意見(0)
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