これは警戒色なの? ハンノケンモン終齢幼虫
いつものように、白岩森林公園の林道を歩いていると、
ちょっとだけ不思議なムシに出会った。
まずは、写真を見てください。
ハンノケンモン終齢幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
黄色と黒のしま模様のよく目立つ幼虫で、
何故か「?」マークの姿勢で、ほとんど動かない。
ハンノケンモン終齢幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
ネット情報では、この色彩になるのは、終齢幼虫のみである。
それまでの若齢期では、アゲハ類と同じように、
鳥の糞のような形態であるらしい。
しかも、どうも不味成分や武器を持っていないようなのだ。
このような、良く目立つ色彩の幼虫は、毒草を食べていることが多く、
捕食者に対して、自分は不味いぞ!!と警告している。
しかしながら、ハンノケンモンの食草は、ネット情報では、
ブナ科、クルミ科、バラ科など、何でも食べるらしいが、
その中に、いわゆる有毒植物は含まれていないようだ。
ハンノケンモン終齢幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
このような黄色と黒のしま模様は、遠くから普通に見ても、よく目立つ。
しかも、普通のイモムシがあまりやらない恰好をしている。
この「?」マークは、他のネット写真を見ても、
ハンノケンモン君が、普通にさりげなくとるパターンのようである。
ハンノケンモン終齢幼虫(ヤガ科)
2012年8月8日 白岩森林公園・青森
さらに特徴的なのが、このように横から見ると分かりやすいが、
オールのような先端が太くなった毛(?)を持っている。
どんな機能があるのか、全く不明だが、
映画に出てくる海賊船のオールのようにも見えてくる。
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
実は、この色彩パターンは、オニヤンマと全く同じである。
下の写真と見比べると、一目瞭然である。
オニヤンマ(オニヤンマ科)
2011年8月5日 白岩森林公園・青森
不味成分を持たない黄色と黒のしま模様のオニヤンマは、
何かに擬態している(ベイツ型擬態)とは考えられない。
以前のこのブログでは、そのような模様を、生物が本能的に嫌うのではないか?
ということで、紹介した。
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110826/1/
今回見つけたハンノケンモンも、①有毒植物を食べているわけではなく、
②特にベイツ型擬態とは考えられず、③黄色と黒のしま模様なので、
生物がそのような色の組み合わせを、本能的に嫌うという説の好例のような気がした。
本能的に避けるのかどうかは別にして、
このような、黄色と黒のしま模様は、良く目立つという理由で、
人間の世界でも、道路の危険個所や工事現場などで、
特に注意を促す視覚信号として、使用されている。
というか、もしかして、すでに人類は、このような「しま模様」を、
危険なものとして、本能的に避けるようになっている???