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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

鳥のフン擬態【2】 やっぱり目立つのか?

今回で2回目の「鳥のフン擬態」である。

 

前回は、こちらであるが、
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110624/1/

このときの最後の写真は、虫のように見える「本当の鳥の糞」だったのである。

一年以上も、正体を明かさずに放置していたことになってしまう。


そして、当時の結論は、鳥の糞に擬態するのは、
隠蔽的擬態よりも、標識的擬態の範疇になるということだった。

もちろん、今でもその考えは、基本的には変わってはいないが・・・




まずは、ちょっとかわいい鳥のフン擬態の写真からご覧ください。


オジロアシナガゾウムシ(ゾウムシ科)

2010年9月24日 東海村・茨城

どうも、白と黒のまだら模様があると、
鳥のフンに見えるようである。

これが、緑色の葉っぱの上にあると、
かなり良く目立つ。

 

 

ヒメシロコブゾウムシ(ゾウムシ科)

2011年6月12日 東海村・茨城

良く目立つが、獲物を探している捕食者は、
おそらく見向きもしないのだろう。

葉っぱの上で、簡単に見つけることができるが、
即座に「これはエサでない」と判断するのだろう。

 

 

オカモトエダシャク幼虫(シャクガ科)

2002年4月26日 徳島市・徳島

これは、ちょっと無理があるかもしれないが、
模様に白が混じると、鳥のフンに見える。

ちなみに、鳥のフンが、このように白っぽく見えるのは、
フンと一緒に排泄するオシッコ成分の尿酸を含むからだ。

どうでもいいことではあるが、
鳥はフンとオシッコを、同時に排泄するのだ。

 

 

多分ヤナギカワウンカの仲間

2011年7月1日 だんぶり池・青森

これは、ちょっと微妙だが、鳥のフンに見えないこともない。

というか、最初は、鳥の糞だと思った。

微妙な汚れ具合が、なかなかのものである。

 

 


多分ウスイロカギバ幼虫(カギバガ科)

2010年10月21日 白岩森林公園・青森

白っぽくなくても、鳥のフンに見える虫もいる。

いつも濡れているような、カギバ幼虫もそうだ。

でも、ちょっと・・・・

 

 


多分ミミズクの幼虫

2012年6月13日 梵珠山・青森

この子は、形状がまさに鳥のフンである。

少なくとも、カメラを構えて近づくまでは・・・・

とにかく、じっとしている。

 

 

クロヒラタヨコバイ(ヨコバイ科)

2011年5月31日 だんぶり池・青森

この子も、形状がまさに鳥のフンである。

少なくとも、カメラを構えて近づくまでは・・・・(文章コピーの手抜き)

 

 

多分アシベニカギバ幼虫

2012年5月30日 南会津・福島

この子は、鳥のフンの演技をしているのか?

しかし、鳥のフンの演技とは!!!!

枯れ葉のように見えなくもない。

⇒どっちにしても、捕食者は、即座にエサではないと判断する。

 

 

本物の鳥のフン

2012年7月11日 だんぶり池・青森

そして、今度も、参考のために本物登場・・・・(遠目で!)

 

 

このように、鳥のフン擬態は、かなり良く目立つので、
隠蔽的擬態ではなく、標識的擬態の範疇に入る。

だた、一般的な標識的擬態【Mimicry】とは異なり、
捕食者は、一度も(モデル種で)嫌な経験をすることなく、
本能的に、これらを餌でないとして無視するのだ。

ただ、捕食者が偶然に食べてしまった場合、
つまり「これは食べられるぞ!」と学習したときには、
サーチングイメージができて、近くにいるフン擬態者を、
徹底的に食べまくる可能性もある。

食べられないものに標識的擬態をする危険性がここにある。

まあこれは、通常のベイツ型擬態の場合にも言えることで、
モデル(の不味成分!)を一度も経験していない捕食者が、
最初に食べた目立つ擬態者を、徹底的に食べまくる可能性だってあるはずだ。


この問題に関しては、次回、トリノフンダマシを紹介する予定なので、
そのときに、もう少し考えてみたい。

 

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