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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

その背景選択は偶然なの? ムラサキトビケラ

ムラサキトビケラという、不思議な虫がいる。

昔、八ヶ岳の山小屋で、初めて見たときには、
「この子は、一体何組なの?」と、
思わず同行した先輩に、訊いたのを思い出す。


前翅は、茶褐色と黒色のまだら模様だが、
後翅には、名前の由来となった黒い紫色で、
鮮やかな黄色の帯がある。

カトカラの後翅のようなイメージだと思う。

残念ながら、今回写真には撮れなかったが・・・

 


・・という長い前置きで・・・・・

 


人工的な切り株(椅子?)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

道の駅矢立峠のトイレの前に、
多分コンクリート製の木の切り株がある。

本物の切り株のように、
茶色と黒で、色付けされている。

 

 


座ろうとして、近づいたとき・・・

真ん中に、その模様に溶け込むような虫がいた。

 

 


ムラサキトビケラ(トビケラ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

まさに、溶け込むという表現がピッタリだ。

赤っぽい色と黒色のまだら模様は、
一般的には警戒色の範疇であり、
普通の緑色の葉っぱにいると、良く目立つはずだ。

しかし、今回この子が選んだ背景にいると、
保護色や隠蔽的擬態のような雰囲気もある。

 

 

 

ムラサキトビケラ(トビケラ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

トリミングして、翅と背景の模様を比較してみると、
少なくとも、2種類の色合いは、ほぼ同じだ。

それにしても、「よくぞ選んだ背景」だ!!!

 

 


ムラサキトビケラ(トビケラ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

どうせなら・・・と、さらにトリミング!!


初めてこの写真を見た人が、
左側の部分が虫の翅で、
右側が背景だと分かるだろうか?

 

 


ムラサキトビケラ(トビケラ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

ムラサキトビケラの幼虫は、水の中に棲み、
水底の落葉などを集めて、円筒状の巣を作る。

まるで水中のミノムシのようだが、
これが、まさかの肉食性!!!!

 

 


ムラサキトビケラ(トビケラ科)

2013年9月9日 矢立峠・秋田

街灯のまわりを飛んでいるときに、
ムラサキトビケラは、蛾に良く似ている。

トビケラの祖先は、蛾と同じ仲間から分岐したはずだが、
チョウや蛾と違ってトビケラの翅には、
鱗粉ではなく、細かい毛が付いている。

この毛があるため、クモの巣には、
引っかからないとも言われているのだ。

 


・・・・色々と、不思議な虫のようだ。

 

     

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