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ちょっとだけ、不思議な昆虫の世界

さりげなく撮った昆虫のデジカメ写真が、整理がつかないほど沢山あります。 その中から、ちょっとだけ不思議だなぁ~と思ったものを、順不同で紹介していきます。     従来のブログのように、毎日の日記風にはなっていませんので、お好きなカテゴリーから選んでご覧ください。 写真はクリックすると大きくなります。   

ちょっとだけ不思議 カメノコ? ジンガサ??


特異な姿かたちのカメノコハムシの仲間は、
個人的に好きな甲虫類なので、
見つければ、さりげなく写真を撮っている。

ジンガサハムシという見た目が良く似た種類もいるが、
カメノコハムシとの違いが、良く分からない。


おそらく、一方は、カメの甲羅を背負っているように見え、
もう一方は、陣笠をかぶっているように見えるので、
多分、無意識に(?)名付けられた和名だと思う【注】


普通に考えると、カメの甲羅は例外なく不透明であり、
陣笠は半透明(最近の傘も?)のものが多いので、
前者がカメノコハムシ、後者がジンガサハムシだと思っていた。

 

ところが・・・・

手持ちの6種類の写真を比べて見ると、
その名前の基準が、良く分からなくなってくる。

 


まずは、カメノコハムシ4種から・・・・

 


 
ミドリカメノコハムシ(ハムシ科)

2013年7月15日 中泊町・青森

折角の機会なので、交尾中の写真・・・

その名のとおり、全身が緑色のカメノコハムシで、
不透明な鎧のようにも見える甲羅を付けている。。


近縁種にアオカメノコハムシがいるが、
背中が盛り上がっているように見えるので、
この子は、ミドリカメノコハムシで良いだろう。

 

 

 

多分カメノコハムシ(ハムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

全体が淡褐色~赤褐色で、体型が細長く、
多少とも背中に黒点があるので、
ただのカメノコハムシで間違いないだろう。

カメノコハムシの写真は、これ1枚だけで、
もしかしたら、この子は珍品かもしれない。


食草はアカザとシロザとされているのだが・・・

 

 

 

イチモンジカメノコハムシ(ハムシ科)

2014年4月25日 ひたちなか市・茨城

この子は、カメノコハムシなのに、
甲羅の模様のない部分は、明らかに半透明である。

ちょっと分かりにくいが、黒っぽい模様が、
体の縁と後方2ヶ所のみで接しているので、
イチモンジカメノコハムシで間違いないだろう。


幼虫は、ちょっとだけ刺激的な性質を持っている。
↓   ↓   ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130803/1/

 

 

 

コガタカメノコハムシ(ハムシ科)

2014年7月18日 笹子峠・山梨

この子も、カメノコハムシなのに、
甲羅の周辺部分が半透明である。

黒っぽい模様が、体の縁と4ヶ所で接しており、
背中が盛り上がっているので、
コガタカメノコハムシで間違いないだろう。


このように、葉っぱに、ピタッと張り付いていると、
捕食者の爪や嘴が、引っ掛かり難いので、
捕食者がうまく捕獲できない可能性が十分ある。

 

 


という訳で、写真の撮れた4種のカメノコハムシは、
半数が、甲羅が半透明の種類であった。

 

続いて、ジンガサハムシ・・・・

 

 

 

スキバジンガサハムシ(ハムシ科)

2013年7月15日 ベンセ沼・青森

ジンガサハムシの仲間は、身体を覆う前翅が、
このように、透明のプラスチックのように見える。

しかも、この子の背中は、金色に輝いている。

カブトムシ目(甲虫)の仲間で、
前翅がこれだけ透明なのは、珍しいと思う。


この写真、良く見ると下にもう一匹いて、交尾中だった!!

 

 

 

ヒメジンガサハムシ(ハムシ科)

2012年6月19日 白岩森林公園・青森

ヨモギの葉っぱの裏側で見つけたこの子たちも、
さりげなく交尾している。

ただし、ジンガサ(?)の部分は、不透明である。


普通のハムシ類のように、近づいただけで、
地面に落下するようなことはない。

何かに擬態しているとしたら、
やっぱり、鳥の糞なのだろうか?

 


という訳で・・・・・どうやら、
カサの部分が透明か、不透明かで、
カメノコハムシと、ジンガサハムシに、
分けられているのではなさそうだ。

  


【注】軽くネットで調べてみると、カメノコハムシの仲間は、
   6属25種類が知られており、そのうち18種類が、
   ○○カメノコハムシと和名が付けられ、残りの7種類が、
   ○○ジンガサハムシとなっているようだ。





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