クモに擬態するカミキリ???
前回に続いて・・・・・ん?!
カミキリに擬態するクモは、多分?いないが(注)、
クモに擬態するカミキリは、多分!いるのかもしれない。
これから紹介するカミキリが、その有力候補である。
イシガキゴマフカミキリ(カミキリムシ科)
1999年6月20日 石垣島・沖縄
デジカメがようやく普及してきたころの写真。
この黄色と黒色の色彩パターンは、良く目立つ。
普通なら、このカミキリは有毒で、警戒色の典型なのだろう。
しかし、カミキリの体液が有毒(不味)成分を含むという事例は、
おそらくないと思うので、警戒色というのは、やや微妙である。
この子は、カミキリにしては、触角が短く太いので、
8本足のクモに似ているように見えなくはない。
もし、クモに擬態しているのであれば、モデルは?
当然、ベイツ型擬態???
と言うわけで・・・・
手持ちのクモの写真を探してみると、
以下の2種のクモが、がモデル候補として見つかった。
多分アオグロハシリグモ(キシダグモ科)
2010年8月19日 梵珠山・青森
確かに、雰囲気はイシガキゴマフカミキリに似ているが、
残念ながら、このクモは、石垣島には分布していない。
ただ、近似種に、イシガキアオグロハシリグモという種がいるようだ。
多分、上のアオグロハシリグモに、良く似た種なのだろう。
この子たちは、カエルなんかも食べるような獰猛な種なので、
ベイツ型擬態のモデルとなる資格は十分ある。
もう1種、同じような色彩のクモの写真があった。
多分キクメハシリグモ(キシダグモ科)
2010年8月25日 だんぶり池・青森
一見、上のアオグロハシリグモに似ているが、
背中の模様が違うようだ。
ハシリグモ属(Dolomedes属)は、沖縄に数種いるようで、
これらの種が、モデルになっている可能性は高い。
いずれにしても、イシガキゴマフカミキリが、
本当に、クモにベイツ型擬態しているのかどうかは、
これからの研究・観察結果が待たれるところである。
もちろんミュラー型擬態の可能性も、全く「0」ではないだろう。
(注)ヤハズハエトリというハエトリグモ科のクモがいる。
微妙にトラカミキリ類に似ているのだ。
ただ、トラカミキリはハチに擬態しているので、
このクモは、ハチに擬態していると言った方が良いだろう。