ミラクル擬態? アリグモ
お互いに、類縁関係が全くないのに、
目(もく)を超えて、
姿かたちがが非常に良く似た虫たちがいる。
多くの場合、その良く似た虫たちは、
擬態者とそのモデルの関係にあるようだ。
この子は、まるで、アリだ。
アリグモ(ハエトリグモ科)
2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城
遠くからは、アリにしか見えない。
アリグモ(ハエトリグモ科)
2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城
近づいても、(私には)アリのように見える。
前脚をまるで触角のように動かして、
アリのように、セカセカと歩いているからだ。
アリグモ(ハエトリグモ科)
2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城
少し前方からみると、何となく違うか?
と、いうような雰囲気ではあるが・・・・
アリグモ(ハエトリグモ科)
2013年6月7日 七ツ洞公園・茨城
非常に残念ながら(?)、写真の子は雄なので、
上顎が太くて、長くなっている。
雌ならば、こんなに上顎が発達しないので、
もっともっと、アリに見えるのだ。
でも、この子、本当にクモなの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
アリに、ベイツ型擬態(注1)して、身を守る虫は、意外と多い。
ただし、アリに似ている程度は、千差万別というか、
ピンからキリまで、様々である。
どの程度の完成度で、捕食者が騙されるかは、
個々の捕食者の餌の探し方、視力、空腹度などによって、
変わってくるに違いない。
以前、ムネアカオオアリに良く似たカミキリを、
やはりミラクル擬態の好例として紹介した。
マツシタトラカミキリ? ムネアカオオアリ??
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20120704/1/
おそらく、アリグモは、これを超えたミラクル擬態(注2)だろう。
(注1)アリは、最強の捕食者とも言われ、かなり攻撃的で、
お尻近くの毒腺から蟻酸を吹きかけたり、
集団で生き物を襲ったりする。
だから、アリを食べる捕食者は、限られており、
アリに擬態することで、捕食を免れる可能性は高い。
(注2)これまで、なかなか良い専門用語が見つからなかったので、
便宜上「ミラクル擬態」として、区別している。
もちろん、このブログ内だけで通用する新しい「言葉」だ。
現代進化論【総合説】のワクを、多分超えて(?)、
そこまで似せなくても、捕食者は騙されてくれるよ!!
と、いうような「やりすぎ感のある擬態」を指す。
一部の虫たちだけが、何故、ミラクル擬態になったのかは、
非常に興味深い問題である。
(⇒昔、赤の女王仮説というものがあった!!!)
⇒日を改めて、ミラクル擬態については、紹介したいと思う。
このブログで紹介したミラクル擬態の例:
ハイイロセダカモクメ幼虫【隠蔽的擬態】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20121012/1/
ムラサキシャチホコ成虫【枯れ葉擬態】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130626/1/
セスジスカシバ成虫【ベイツ型擬態】
↓ ↓ ↓
http://kamemusi.no-mania.com/Date/20110926/1/