不思議なベイツ型擬態?? ヒゲナガヒロクチバエ
どんな生き物の場合でも、たった1枚の写真があれば、
細かく文章で記載するより、遥かに多くの情報を、
ほんの一瞬で伝えることが出来る。
場合によっては、動画よりも、写真の方が適していることもある?
ただし、虫たちの場合には、その1枚の生態写真だけを見ると、
(図鑑に掲載されている写真とは、全く異なって、)
例えばその虫が、ハチのなか、アブなのか、
瞬間的には、判断に迷うことがあるのだ。
ただ、このことは、写真の限界を示しているのではなく、
虫たちの「驚くべき適応戦略」の方を、驚嘆すべきなのだろう。
・・・例えば、
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2010年7月21日 だんぶり池・青森
この写真だけを見れば、ほとんどの人がハチと言う。
私も最初は、ハチが肉団子を作っていると思った??
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月10日 だんぶり池・青森
これは、ハチに似せた典型的なベイツ型擬態の種だろう。
写真では分かりにくいが、胸と腹の間が細くなっており、
このブログで言うところの「ミラクル擬態」だろう。
ただ、ハチ擬態にしては、金属光沢が強すぎて、
モデル種のハチがすぐには思いつかない。
⇒気になる点を挙げれば、複眼にある縞模様で、
これはアブの仲間に多く見られる。
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
この子は、名前の由来となった(?)大きな口で、
葉っぱの水分を舐めているのだろうか?
ネット情報では、ヒロクチバエ科は熱帯性の種類が多く、
本種が、一番北に分布しているようだ。
それにしても、翅の付き方(位置)が、ちょっとだけ不思議だ。
翅の付く場所が、かなり後方寄りに見えるのは、
頭と胸が、異常に発達(長く!)しているからだろう。
ヒゲナガヒロクチバエ(ヒロクチバエ科)
2015年7月12日 だんぶり池・青森
この写真では、2匹が重なり合っているようにも見える。
まるで、雌雄が交尾しているようだ。
前胸と後胸が大きく、頭部(口?)が長いだけで、
こんな不思議な雰囲気になるのだ。
⇒何故、名前がヒゲナガなのかは、不明だ。
個人的には、クチナガだと思うのだが・・・
だんぶり池周辺の林道では、普通に見ることが出来るが、
最初は、ハチと間違えてカメラを向けることが多い。
⇒もっと言うと、ハチだと思って写真を撮ると、
何を隠そう半分近くが、アブだったりするのだ!!
恐るべし、アブのハチ擬態!!!