枯れ葉のような蛾【1】 ウスイロカギバ
コノハチョウやアケビコノハのように、
枯れ葉に擬態する虫は多く、隠蔽的擬態の好例とされる。
だから、「枯れ葉に擬態する虫は、枯れ葉の上に居ないと意味がない」
・・・・こんな表現を、ネット上では、しばしば見かける。
これ、本当だろうか?
確かに、緑色の葉っぱの上に、枯れ葉に擬態してる虫がいれば、
逆に良く目立ってしまう印象がある。
でも、下の写真のように、緑の葉っぱの上にある枯れ葉は、
良く目立っても構わないのだ。
枯れ葉が、緑の葉っぱの上に落ちている。
これは、良く見かける光景である。
(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)
こっちはどうかな???
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田
枯れ葉のように見えるが・・・・
どうだろうか????
(⇒写真をクリックして、拡大してご覧ください)
ウスイロカギバ(カギバガ科)
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田
これは、葉っぱが2枚重なっているように見えるが、
実は、ウスイロカギバという蛾なのだ。
ウスイロカギバ(カギバガ科)
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田
良く見れば、葉っぱが2枚重なったのではなく、
雄と雌が交尾しているのだ。
ウスイロカギバ(カギバガ科)
2012年5月18日 芝谷地湿原・秋田
これだけ近づいて、じっくり見れば、枯れ葉には見えない。
明らかに蛾である。
このように、緑色の葉っぱにある目立つ枯れ葉は、
食べられないものとしてアピールしているのだろう。
世の中に枯れ葉を食べる動物(捕食者)なんていないからだ。
これは、むしろ標識的擬態になるのかもしれない。
良く目立つが、それは無視する対象なのである。
だから、葉っぱの上にある鳥の糞と全く同じで、
それに擬態する虫たちも多いのだ。